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COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
42
NWの放浪の物語、完結。表題作のヒロイン・ナユサが異色。NWを惑わす妖女というよりは、生き生きと自由な、まさに妖精のようなキャラクターだった。NWスミスとジレルがコラボする『スターストーンを求めて』など、ちょっと変わり種な物語の末に、NWの物語は終わった。もちろん彼の旅路は続くのだろうが。いつか地球の緑の丘へ帰れる日がくるといい。2019/09/12
ニミッツクラス
32
73年(昭和48年)の200円の白背初版。NWスミス物の後期の5編(1939-40)と著者の一筆を収録。現在は21年のコンプ版があるので13短編を疲れるが一気に読める。基本ムーア名義だが、表題作はアッカーマンと、そして「スターストーン…」は旦那のカットナーとの共作。今回の5編もNWスミスと相棒ヤロールは一発当てて大儲けみたいな良い処は無い。特筆すべきは共作の「スターストーン…」で、これは1500年ほど過去へ飛ばされた主人公達が「処女戦士ジレル」のジレル本人と悶着を起こす話でマニア垂涎の一作だ。★★★★☆☆2022/10/17
白義
19
この巻によって、パルプ雑誌全盛の時代に、恐らくSF史でもメアリー・シェリーを除けば最初期の女性作家の作品でありながら、漂うエロスにより壮大な神話へと誘ったこの名作幻想コズミックホラーシリーズの、世界初の完訳が成し遂げられたことになる。デビュー前に落選した同人誌収録の作品すら収められているというのに本気度が伺えるが、その分前二巻よりも質は落ちる。しかし、本書は別の意味でSF史に残る偉業を成し遂げている。NWスミスと女剣士ジレル、ムーアの二大主人公が時空を越え共演する作品で「地球の緑の丘」という詩が出るからだ2018/03/04
鐵太郎
6
「スターストーンを求めて」の中で、スミスは当時(つまり、スミスの活躍する宇宙時代)流行した歌を切れ切れに歌います。「地球の緑の丘」という歌です。 ──望郷の思いは虚空を越えて/わが胸にせまりぬ/見はるかす宇宙の彼方/地球の丘々は緑にあふれ... のちに、ロバート・ハインラインはムーアの許可を得て、この歌を元に「地球の緑の丘」という作品を書きました。もう一度ふるさとを見たいと願いつつ、暴走した宇宙船の原子炉の中で復旧工事を行い、高らかにこの歌を歌いながら息絶えた老人の物語でした。不思議な連鎖です。2005/04/23
亮人
6
《ノースウェスト・スミス》シリーズ第三弾。ってかノースウェストってスペオペ主人公のくせに弱いよね??直ぐに敵に捕まるし。女に弱いし。直ぐ宇宙美人局に引っかかる。しかし本書最大の読み所は、ハインラインの元ネタの「地球の緑の丘」の詩。これが凄く感動的で素晴らしい!!!2010/02/23