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出版社内容情報
多額の借金を抱えながら、まっとうに生きたいと願うマリオが引き受けた最後の仕事。それはカルテルの現金輸送車を襲うものだった。だがその仕事を受けた瞬間から、彼が幼い頃に聞いていた幻聴――悪魔が罪の道へと誘い込むあの声がまたしても聞こえはじめ……
【目次】
内容説明
難病に苦しむ幼い娘の医療費を賄うため、殺しに手を染めるマリオ。だが、彼の努力もむなしく、娘は死んでしまい、妻は家を出ていってしまう。現実を受け入れられずドラッグに溺れ、幻覚に悩む彼に、フアンカという男からとある話が持ちかけられる。それは麻薬カルテルから大量の現金を強奪するという自殺行為にも等しい仕事だった。そして、麻薬カルテルに潜入したマリオが目にしたのは、この世のものとは思えないほどの凄惨な光景だった。これは現実なのか、それとも…読者を混沌の渦に巻き込む悪魔的ノワール。ブラム・ストーカー賞、シャーリイ・ジャクスン賞受賞の悪魔的ノワール!
著者等紹介
渡辺義久[ワタナベヨシヒサ]
1973年生、パデュー大学卒、翻訳家
イグレシアス,ガビーノ[イグレシアス,ガビーノ] [Iglesias,Gabino]
プエルトリコ生まれ、テキサス州オースティン在住の作家。2012年にGutmouthで作家デビュー。2022年に『魔の道』(本書)を刊行、ブラム・ストーカー賞、シャーリイ・ジャクスン賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
77
グロテスクな殺人+宗教+超常現象が重なったかなりのノワール作品。4歳の娘が白血病と宣告され悲しむ主人公マリオ。その姿に同情できる巻頭。だが妻を突き飛ばし、家出され、金のために闇仕事に手を出す姿に危うさを感じ始める。ついに麻薬カルテルに関わり破滅の文字が点滅する。虚しさが心に残る作品。 【ブラム・ストーカー賞】【シャーリィ・ジャクソン賞】受賞2026/08/14
harass
50
前情報無しで図書館で見つけて借りる。ノワール+〇〇。白血病で愛娘を失い妻も出ていき、借金返済で殺人を請け負っていた主人公。麻薬カルテルの荷物強奪の話が来るのだが… 身につまされる人生の不条理の感慨にいろいろ唸るが、白昼夢?幻視を見る主人公。南米特有の残虐なマチズムもあるが、これはいったいどうなるのだと、久しぶりの行方が見えない読書だった。いろいろ疑問はあるのだが、マルケスのマジックリアリズムなどもいろいろ想起。いやいや久しぶりの海外小説の醍醐味を楽しんだ。キワモノだがノワール加減が良い。2026/07/06
tom
22
まったくもって、とんでもないミステリー。むしろホラーの沼にどっぷりと漬かっている。乳幼児に対する残虐行為、人を殴り倒すときの残虐さなどなど、さらには死者が生者を食いちぎり、最後にはとんでもない裏切り行為。こんなものが次々に登場して目が回る。メキシコが舞台になっているのだけど、かの国では死者が特別の地位を持っていると聞いたことがある。この本のホラーは、その延長線上にあるようにも見える。本書の驚きはカルチャーショックの類かも。でも、この著者の本をさらに読みたいとは思えない。2026/08/06
練りようかん
22
シャーリー・ジャクソン賞受賞作。4才の娘に病気が見つかり、治療費を工面するため人を殺した主人公。ボロボロの精神が印象づき、家庭を失ったあと大金目当てで麻薬カルテル強奪計画に加わるのも破滅願望からかと想像、しかしある写真を見つけ主人公の目が醒める場面で物語の風向きが少し変わったぞと興味を持った。主人公はタノイ族とアフリカ人、そしてスペイン人の血が混じっていて、人種差別のどうにもならなさが繰り返し顔を出す。仕事を紹介してくれた友人は白人、内輪で殺し合いをするハメになるのかと頭が痛く、徹底してノワールだった。2026/08/03
土筆
11
プエルトリコにルーツをもちアメリカ在住の作者と主人公。幼い娘を難病で亡くし自暴自棄になり一発逆転の大金目当てに麻薬カルテルのトラック強奪の話に乗る。平山夢明の『ダイナー』のように過激でグロテスク、マフィアと仇討ち、悪魔や黒魔術的な南米の信仰が土台にあり、他には無い感じが面白かった。作者はこれをバリオ・ノワールという。異なる文化や言語の国境近辺を舞台に、犯罪、宗教、迷信、超常現象を組み合わせたもの。「メキシコでは死神にはたくさんの呼び名がある」こういう南米ルーツもっと読みたい。平山夢明好きにオススメ。2026/06/02




