出版社内容情報
日本屈指の歓楽街・博多中洲。その街で真夜中を生きる無戸籍の少年がいた――家族の繋がりを超えた人間の強さと温かさを描く感動作。
内容説明
日本屈指の歓楽街・博多中洲。その街で真夜中を生きる無戸籍の少年蓮司―交番勤務の響、同い年の少女緋真、テント暮らしの源太、客引きの井島。親の虐待を受けながらも、中洲の人情に包まれ過ごす日々は、蓮司を襲った凶行で崩壊した。それから九年…博多祇園山笠の熱気と共に、蓮司の物語は再び動き出す。血の繋がりを超えた人間の温かさと強さを描く感動作。
著者等紹介
辻仁成[ツジヒトナリ]
1989年、「ピアニシモ」ですばる文学賞を受賞。作家・詩人・ミュージシャン・映画監督と幅広いジャンルで活躍している。97年「海峡の光」で芥川賞、99年『白仏』の仏語版Le Bouddha blancでフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を受賞。著書多数。ライフスタイルマガジンDesign Stories主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆきこっち
8
無戸籍児の話。もう本当にいつも思うけど、育てられないのになんで産むの?なんで施設に預けないの?読んでてイライラしっぱなし。蓮司の祖父母は?宮台響も結局何もできなかったし。でも希望が見えた終わり方でホッとしました。2021/04/19
ロヒキア
7
負の連鎖の中でも、周りの人間に寄り添われながら生きていく世界。負の連鎖はなかなか断ち切れないが、心と仲間とで立ち向かっていくしかないのかな。2022/07/14
無理矢理読書会@半田建設
4
中洲のホストとホステスの間に子供が出来出生届を出さないまま中州で育っていった少年の話。中洲の人々から助けられながら大きくなっていくのですが、無戸籍で小学校にも行けず、そのまま大きく成ればこのようになると示した内容dしあ。「普通」がどれだけ幸せなことなのか思い知らされ、また両親に感謝がわいてくる本でした。2021/04/19
アーミー
3
博多の中州で生まれ育った少年加藤蓮司の物語。ホステスの母とホストの父を持つ7つの少年は、住居のない両親とホテルや知人の家・店に寝泊まりする生活をしていた。事情があって蓮司の戸籍はなく、親の育児放棄で、真夜中に繁華街をうろつく毎日を送っていた。中洲の人々や知り合った優しい警官などが、蓮司に施しや救いの手を差し伸べる。現実には無戸籍児が蓮司のような幸運に恵まれるとは思えないが、育児放棄をする自分勝手な大人たちに怒りを覚える。衝撃のラストは蓮司の怒りそのものだろう。社会問題を鋭く突く作品で、蓮司の強さに脱帽。2024/07/25
はななん
3
知っている土地が舞台なのもあり、どんどん読み進めることができました。蓮司のぎりぎりで生き延びでいく強さに、もし恵まれた普通の家庭に生きられていたら、どんな大人になったのか、考えさせられました。2022/06/24
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