- ホーム
- > 和書
- > 新書・選書
- > ノベルス
- > ハヤカワポケットミステリー
出版社内容情報
1941年、ハワイで起きた白人男性と日本人女性の惨殺事件。容疑者を追う米国人の刑事は、辿り着いた香港で太平洋戦争の勃発に遭遇する――戦禍の太平洋諸国で真相を追い求める男の彷徨を描くエドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ賞)最優秀長篇賞受賞の大作
内容説明
1941年ハワイ。アメリカ陸軍上がりの刑事マグレディは、白人男性と日本人女性が惨殺された奇怪な事件の捜査を始める。ウェーク島での新たな事件を経て容疑者がマニラ・香港方面に向かったことを突き止めた彼はそれを追うが、折しも真珠湾を日本軍が攻撃。太平洋戦争が勃発する。陥落した香港で日本軍に捕らえられ東京へと流れついたマグレディが出会ったのは…戦乱と死が渦巻く激動の太平洋諸国で連続殺人犯を追う刑事の執念。その魂の彷徨を描く、エドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ賞)受賞作
著者等紹介
ケストレル,ジェイムズ[ケストレル,ジェイムズ] [Kestrel,James]
刑事事件調査員など様々な職種を経て、現在弁護士としても活動中の作家。2022年に『真珠湾の冬』でエドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ賞)最優秀長篇賞受賞
山中朝晶[ヤマナカトモアキ]
東京外国語大学外国語学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
273
エドガー賞最優秀長篇賞受賞作ということで読みました。本書は、太平洋戦争歴史サスペンスロマンの秀作です。昨年読んでいたら、2022年のBEST20候補でした。 https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000015303/2023/02/14
青乃108号
213
この本の日本語タイトルと装丁に騙されてはいけない。原題は「FIVE DECEMBERS」である。真珠湾は舞台の一つに過ぎず、戦争は背景にしか過ぎない。人生には数限り無い程の選択肢がある。この本を知るか或いは知らないか、もその1つだ。この本を知った上で次の選択肢はこの本を読むか読まないか、だ。分厚い本だ、しかも二段組だ。残酷な描写も一部にはある。しかしこの本には、真に大切な事が書いてある。クライマックスの一連の描写には何とも表現の仕様のない感情が押し寄せる。比類のない程面白い本だ。読まない選択は間違いだ。2023/06/07
モルク
161
500頁近く上下2段組、更に黄色い紙と老眼、ドライアイの我が身にはきつい。だが見づらさより内容に引き込まれていった。ハワイで見つかった白人青年と日本女性の惨殺死体。その捜査をするのは陸軍上がりの刑事マグレディ。殺されたのが海軍大将の甥とわかり犯人を求めて香港へ。ちょうどその時真珠湾攻撃により日米開戦、そしてマグレディは日本軍に捕まり東京へ…。時間の流れの中マグレディも流されていく。歴史と本編の絡みもいい。中弛みなく魅了される。マグレディにマンチェスター市警堕落刑事エイダンを見てしまったのは私だけだろうか。2023/06/16
ちょろこ
156
執念の一冊。時は1941年。根底に太平洋戦争を描きながら猟奇殺人犯を追う骨太ミステリ。この時代背景を感じ取りながら主人公マグレディ刑事の連続殺人犯を追う年月はハワイ、香港、日本と舞台は移りながら想像以上に盛りだくさん。日本の戦乱は手に取るように伝わっては心に重く沈み込んだ。そしてストーリーが進むにつれて盛り上がり終盤は目が離せない展開に。犯人を追う執念からある意味せつなく狂おしい次なる執念へと変わる最高潮の盛り上がりがたまらない。重々しいストーリーながらも情景描写と心情の溶け合いが雪のように心に舞う作品。2023/06/27
stobe1904
129
【MWA長篇賞受賞作】時は1941年のハワイ。刑事のマグレディは白人男性とアジア系女性が惨殺された殺人事件の捜査を開始し、手がかりを追いウェーク島から香港に向かうがそこで真珠湾攻撃が起こり、歴史の大きな波に巻きこれる…。1941年から45年まで激動の5年間のハワイ、香港、東京を舞台にしたスケールの大きいミステリで、ハードボイルド調の抑えたトーンが深い余韻をもたらす。トレヴェニアンの『シブミ』のような静謐さと激動の時代のコントラストが鮮烈で、抜群に面白い小説を読めた喜びにひたる。今年のベストでは。★★★★★2023/02/25
-
- 電子書籍
- 鉄道で旅する北海道 シーズンセレクショ…