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出版社内容情報
1919年、英国領インド。赴任したばかりのウィンダム警部は、英国人高官が殺害された事件の捜査の指揮をとる。優秀なインド人警察官であるバネルジー部長刑事を相棒に、ウィンダムは現地の事情に分け入っていくが……。書評紙誌に絶賛された歴史ミステリ登場!
内容説明
1919年、英国統治下のカルカッタ。スコットランド・ヤードの敏腕警部ウィンダムは、第一次大戦従軍を経て妻を失い、倦み疲れてインド帝国警察に赴任した。右も左もわからぬ土地で頼みの網は、理想に燃える若く優秀なインド人の新米部長刑事バネルジー。二人は英国人政府高官が何者かに惨殺された事件を捜査する。背後には暴動寸前の現地の憤懣と暗躍する諜報機関の影が…東洋の星と謳われた交易都市を舞台に、複雑な政情を孕む奥深い謎と立場を超えた友情が展開する、英国推理作家協会賞受賞の傑作歴史ミステリ。
著者等紹介
ムカジー,アビール[ムカジー,アビール] [Mukherjee,Abir]
1974年ロンドン生まれ。インド系の移民二世。20年間の会計士生活を経て小説家を志し、『カルカッタの殺人』がデイリー・テレグラフ/ハーヴィル・セッカー犯罪小説賞第一席に入選し、2017年に作家デビュー。同年、同作で英国推理作家協会賞ヒストリカル・ダガー賞を受賞した
田村義進[タムラヨシノブ]
1950年生、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
228
英国推理作家協会賞ヒストリカル・ダガー(歴史ミステリ)受賞作ということで、期待して読みました。100年前のイギリス統治下のインド カルカッタを舞台としたミステリ、当時の世界情勢・雰囲気は楽しめますが、ミステリとしては???といった感じでした。2019/09/14
ケイ
144
第一次大戦後の100年前のカルカッタの息遣いを感じる。英国推理作家協会賞ヒストリカル・ダガー賞受賞というのに納得。しかし、御託が多くはないかと、読みながらなんとはなしに気になっていたのだが、読後に作者がインド系二世というのを知り、そのあたりに原因があったのかもと思う。2作目が出たら読みたいが、そこで判断したいところ。2019/10/10
ちょろこ
121
植民地時代ミステリ、の一冊。とても好みの作品。時は1919年。英国統治下のインド。そこで起きた英国人政府高官殺人事件。単なる行きずりの事件ではない、複雑に絡み合い息を潜めるかのように根底で待ち構える謎。それを解き明かす過程に絡めた複雑な政情、綴られていく統治する側される側の根底に渦巻く心情など、深く考えたこともなかっただけに読み応えがあった。次第に変化していくウィンダム警部の姿、心に響くものをいつのまにか得ていくその過程も良い。熱気を帯びたむせ返る雑踏、まるで匂いたつような描写を味わえたのも良かった。2019/09/02
buchipanda3
111
英国領インド、カルカッタで起きた殺人事件という舞台設定にそそられて手に取る。警察ミステリと独立前のインドの歴史の一片が上手い具合に融合されていて満足の作品だった。統治による様々な軋轢が描かれ、特に英国人の傲慢な態度は目に余る。英国から赴任したウィンダム警部はその独特な情勢や慣習に戸惑いながらも公正にやり通したいという態度を見せて好感が持てたし、部下のバネルジーも手際よく応えている感じが良かった。警部は重い過去を持つのだが軽い面を見せたり少し意外な一面も。シリーズ化されているようで続編も読みたい。2019/10/27
のぶ
102
インドを舞台にしたミステリーで、巧みなストーリー展開で面白い作品だった。時代は1919年、第一次世界大戦下のイギリスがインドを統合支配していた頃。英国人政府高官が何者かに惨殺された事件が話の軸になっている。捜査にあたるのはイギリスの警部ウィンダム。土地勘のないウィンダムはインド人の新米部長刑事の助けを得て捜査を進める。容疑者は早くに浮上するが、その男が真犯人なのか?背景に見え隠れする諜報機関の影。ミステリーとして良く出来ているだけでなく、当時のイギリスとインドの関係が綿密に描かれていて非常に興味深かった。2019/08/06
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