- ホーム
- > 和書
- > 新書・選書
- > ノベルス
- > ハヤカワポケットミステリー
出版社内容情報
1975年。東ベルリンの〈壁〉に接した墓地で少女の死体が発見された。事件の捜査を命じられた刑事警察の女性班長カーリン・ミュラー中尉は、知らず知らずのうちに国家の闇に迫っていく。冷戦時代の東ドイツを舞台にし、高く評価された歴史ミステリの傑作登場!
デイヴィッド・ヤング[ヤング デイヴィッド]
著・文・その他
北野 寿美枝[キタノ スミエ]
翻訳
内容説明
1975年2月、東ベルリン。東西を隔てる“壁”に接した墓地で少女の死体が発見された。現場に呼び出された刑事警察の女性班長ミュラー中尉は衝撃を受ける。少女の顔面は破壊され、歯もすべて失われていたのだ。これでは身元の調べようもない。現場にいち早く国家保安省のイェーガー中佐が来ており、やがて異例のことながら、事件の捜査がミュラーたちに命じられた。その背景には何かが?暗中模索の捜査は知らぬうちに国家の闇に迫っていく。社会主義国家での難事件を描き、CWA賞に輝いた歴史ミステリの傑作。
著者等紹介
ヤング,デイヴィッド[ヤング,デイヴィッド] [Young,David]
イングランド東岸のキングストン・アポン・ハル生まれ。ブリストル・ポリテクニックで学んだのち、さまざまな職を経験し作家となる。『影の子』はデビュー作で、英国推理作家協会賞のヒストリカル・ダガー賞を受賞した
北野寿美枝[キタノスミエ]
神戸市外国語大学英米学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ほちょこ
36
知らざれぬ(私だけ?)ドイツ共和国。中国かと思った!フィクションとはいえ、著者あとがきにもあるように、事実を掘り下げた作品として、読んでおいてよかったと思える一冊だった。エンディングとしてはモヤモヤだけど。2018/07/23
ハスゴン
35
イギリス人が書いたドイツの舞台という変わった小説ですが、主人公が揺れ動く感じが次回作も期待! ドイツの分裂しているのをリアルに感じたりできました。2018/08/28
み
22
重かったものの、夢中で一気読み♪ドイツが2つだった頃が舞台。そんな状況だったんですね…、そんな前のことでないのに。本国では、何作かあるようなので、翻訳して欲しいです。読みたい♪2022/04/29
tom
16
旧東ドイツで刑事をしている女性が妙に面倒な時間を担当させられる。のた打ち回りながら、刑事としての節操を守るため、捜査を継続。そして、その結果、とんでもない裏切り行為を解き明かすという物語。まあ、刑事小説としては、中の下。展開としても、そうなのーというところ。少々の残念本。それでも、最期まで読み続けたのだから、そこそこなのかしら。2018/12/18
DEE
14
ベルリンがまだ東西に分かれいた頃の東側を舞台にした物語。 壁の近くで顔面を無残に破壊された少女の死体が見つかる。そしてその死体には状況を撹乱しようとした明らかな跡があった。 シュタージへの密告がはびこり、誰を信用していいか分からなかった時代。始まりから陰鬱な雰囲気で始まり、それほど大きな変化もないまま中盤へ。死体の身元の見当がつき始めていくにつれ、あまりにもふざけた時代と国家思想に胸が苦しくなってくる。 出てくる人間も一癖も二癖もある連中ばかり。 これはなかなかのイヤミスかも。2019/10/21