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出版社内容情報
犯罪歴のある患者を収容する重警備精神科医療施設で不審死が相次ぐ。施設では亡霊が出没するという噂が広まるが……新たなるサスペンスの女王がエドガー賞受賞作『喪失』に続いて放つ戦慄の傑作
内容説明
犯罪歴のある患者を収容するビーチウェイ重警備精神科医療施設は、不穏な空気に覆われていた。かつて救貧院だったここには、昔の職員の亡霊が出没するという噂があった。そこへ自傷行為の絶えなかった患者が死亡したことから、患者ばかりか施設の職員までもが怯えているのだ。上級職員のA・Jは、最近退院したばかりのある患者が舞い戻ったのではないかと疑うが上層部を気にする上司は事態への対応を渋る。悩んだ末にA・Jは独断で警察のキャフェリー警部に相談するが…エドガー賞受賞作『喪失』に続く話題作。
著者等紹介
ヘイダー,モー[ヘイダー,モー] [Hayder,Mo]
英国エセックス生まれ。15歳で学校を辞め、バー・メイド、警備員、英語教師などの職業を経験。東京でホステスをしていたこともある。2010年の『喪失』でアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長編賞を受賞
北野寿美枝[キタノスミエ]
神戸市外国語大学英米学科卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
89
重警備精神科医療施設で起こる謎の事件をメインに、キャフェリー警部の重荷になっているモデル失踪事件をサイドストーリーにして進む。巧みなミスリードでした。早川書房にありがちなシリーズ途中からの紹介なんだけど、どうせなら全作訳してね。フリーは無傷で切り抜けられるのか。ところでA.J.の本名って何?2016/08/15
starbro
87
「喪失」に続いてモー・ヘイダー2作目です。ミステリというよりもホラーに近い感じです。タイトルは人形(ひとがた)というよりも、呪い人形(にんぎょう)の方が的確ではないでしょうか?いずれにしてもこんな精神病院には入院したくないですね(笑)2016/03/04
のぶ
69
とても完成度の高い作品だった。精神科医療施設で幽霊が出没するという噂に加え、発生する殺人事件。日頃、翻訳小説は登場人物を覚えるのに苦労するが、本作はキャラクターが明確に色分けされていて、とても分かりやすい。閉鎖された舞台ながら内容はバリエーションに富んでいて、とても面白い。プロットがよく練られているせいだと思う。最後まで先の読めないミステリーに、サスペンスやホラーの要素も含まれて、エンタメ小説として一級品だった。2016/05/04
ひめ
37
いくつもの物語が同時進行していて、「あなたは誰?」状態。ペニーってもうおばあさんだと思ってた。まだ若かったのね。そうなると、ペイシェンスもおばあさんではないの?ま、いっか。読んでいて、痛く感じる本でした。イタイではなく、痛点が刺激されるというか・・・。どうなるかと悲惨なかんじでしたが、最後はさわやかな気持ちになりました。アイザックが気の毒でした。2016/05/08
わたなべよしお
34
いやぁ、やっぱりさすがですね。モー・ヘイダー。堪能いたしました。「喪失」を読んでから、何年もたってしまったので、もうこの人の作品は邦訳されないのかと半分、あきらめていましたが、やっぱり面白い。今回の話は犯罪を犯した精神障害者たちの施設が舞台。ホラーっぽくて、陰惨で陰鬱だが、最後に人と人のつながり、情愛を感じさせてくれて、悲惨な中にも、ちょっと温かい気持ちにさせてくれる。だから、読後感がいい。もっと、読みたいですね、ヘイダーの作品。2016/02/16