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内容説明
フランスのどこか田舎町。車内に血のついた怪しげな車で逃げてきた、正体不明の男がいた。その男ショーンは車を捨てたものの、森で罠に捕らわれてしまう。目覚めたのは、ある農場の納屋の屋根裏だった。農場の娘マティルドが、足に傷を負い歩くこともままならない彼を黙々と介抱してくれるが、何かを必死に隠そうとしている。のどかそのものの農場なのに、どこかがおかしい。ショーンは不審と不安を抱きはじめる。この農場はいったい何を隠しているのか…ヨーロッパでベストセラー、英国人気ミステリ作家の意欲作。
著者等紹介
ベケット,サイモン[ベケット,サイモン] [Beckett,Simon]
英国シェフィールド生まれ。フリージャーナリストとして活躍しながら創作をし、“法人類学者デイヴィッド・ハンター”シリーズで人気を集める
坂本あおい[サカモトアオイ]
青山学院大学文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
51
農場に迷い込んでしまった主人公の話。時折過去のシーンが挿入されるが、シンプルで、何か舞台劇を読んでいるような感じを受ける。農場での描写は思わせぶりな謎を含んで物語を引っ張っていくが、個人的にはこの状況を作った作者の意図が最後まで判らなかった。謎を引っ張ってのラストにも不満が残った。この作品を映画化するなら、思わせぶりが得意なナイト・シャマランが監督すると合ってるのでは?2015/11/27
藤月はな(灯れ松明の火)
39
ある罪から逃亡していたショーンは逃亡中にトラバサミで負傷し、ある農家で世話になることになる。その農家には横暴さと残忍さで人を支配するアルノー、彼の娘で忍耐強いマティルド、姉に異常なまでの嫉妬と蔑みを持ち、子供故の邪気を隠そうとしないグレートヒェンがいた。マティルドの男運の悪さに泣きながら自分ではなく、誰を大事に思っていたかの所に彼女の強さを感じます。そして「父を突き落としてやったの」と満足そうに嗤いながら言う場面に私はゾクゾクとした悦びを覚えました。それにしても全ての元凶であるアルノーは許すまじ。2015/10/08
ロア
34
HAYAKAWAポケミスのブックデザインはどれもかっこいいなぁ。二段組みで字がぎっしりなとこも活字好きには堪らないポイント。黄色いページにもすっかり慣れたし(*´ㅈ`*)にしても、ミステリーの感想って何をどう書いてもネタバレしそうで、いつもとても書きにくい…。あ、自分のミステリーの読み方で今回ひとつ発見したんだけど、どんな些細な事も「これはもしや伏線⁈(;。・`ω・。) 」と、全て伏線目線で読むクセがあるね。ちなみに本書を読んでて「これ伏線だ‼︎」って思った事柄のほとんどは伏線ではありませんでした(苦笑)2016/09/11
わたなべよしお
31
読み終えると、特に驚くようなことが明らかになるわけではない。だが、なかなか読ませるのだ。だから、途中でやめられない。個人的には、このようなテクニックで最後まで読ませてしまう本は好きではない。とはいえ、もう一度最初から読んでもよいと思えるような本だ。2015/09/19
barabara
29
あらすじ通り、予想通りに話は進む。前半の罠に捕らえられてから、街中での孤立を感じる突き刺さるような人々の目。すごくよかった。ゾクゾクした。森の中の彫像も理由を知ったら笑えるけど、インパクト大すぎて悪夢に出てきそう。2015/10/04