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出版社内容情報
聡明で美しい大学教授サンドリーヌは、謎の言葉を夫に書き記して亡くなった。彼女は自ら死を選んだ? それとも殺害された? 同じく教授の夫が疑われるが、信じがたい夫婦の秘密が明らかに……
内容説明
大学教授の夫が大学教授の妻を殺害?殺されたとされる史学教授のサンドリーヌ、彼女はその誠実さで誰からも慕われていた。一方、夫の英米文学教授サミュエルは、自身の知識をひけらかし周囲をいつもみくだしていた。彼は無実を訴え、証拠も状況証拠にすぎなかった。しかし町の人々の何気ない証言が、彼を不利な状況へと追い込んでゆく。やがて、公判で明らかになるサンドリーヌの「遺書」。書かれていたのはあまりに不可解な文章で…妻と夫の間に横たわる深く不可避な溝を、ミステリアスに描き出したサスペンス。
著者等紹介
クック,トマス・H.[クック,トマスH.] [Cook,Thomas H.]
1947年アラバマ州フォート・ペイン生まれ。『緋色の記憶』で、アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞を受賞。同書は日本でも各種ミステリ・ランキングの海外篇で入賞をはたした
村松潔[ムラマツキヨシ]
1946年生、国際基督教大学卒、英米仏文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
258
結婚は人生の墓場ではなく、人生の処刑場かもしれない…本の帯に 書かれたこの文に誘われる ように読了。 大学教授サムは本当に、美人妻であり大学教授でも あるサンドリーヌを殺したのか…法廷を舞台に クックが描く夫婦の闇が 静かにゆっくりと明らかに なっていく。 過去を遡りながら、二人に 一体何があったのかを暴き だしてゆくクックの筆致は健在で哀しい。 サムの心に潜むほの暗い予感がぼんやりと 現実を剥き出していきながら…最後は夫婦のあり方を問う、そんな終わり方だった。2015/12/23
スパシーバ@日日是決戦
113
A (2015年)<2013年> 大学教授が同僚教授である妻を殺害した嫌疑で起訴される。検察側が召喚した数人の証言により、被告人とって不利な状況に追い込まれる。だが、弁護側はすべては状況証拠であり一貫して無罪を主張。10日間にわたる公判。そして陪審員が下した評決は? 公判の進行と同時に主人公が回想する夫婦生活が交差する形でストーリーは展開。永遠の愛を誓ったカップルを襲う様々な出来事。「出会った頃は優しかったアナタ。その一言が欲しかったのに、なのにアナタは..」。 2016/01/22
紅はこべ
102
妻毒殺の罪に問われた夫を語り手とする、一応法廷ものだが、いわゆる丁々発止の法廷駆け引きというものはない。クック十八番の回想もの。途中で夫に同調して「ソア橋」系かと思ったが…。小説家として作品を完成できなかったことが、夫から妻の心を思いやる優しさを奪ったのか、それともそんな人間だから、小説家になれなかったのか。それにしても賢くて優しい想像力がある筈のサンドリーヌがどうしてこんな方法を取ったのか、理解に苦しむ。それでもサムは優しさを取り戻せたね。アメリカの地方住民ってインテリ嫌いなんだね。2016/08/18
キムチ
66
トマス・クックにしては珍しいリーガルサスペンス。でもいい味。5作程度しか 彼の作品は読んでいないが どんどん好きになる。と言ってもこの内容は口中にざらつきを残す嫌な味だった。まぁ、人間の本質をえぐるとこんなものかも知れぬ。「あの」美貌で聡明なサンドリーヌが「或る一瞬の心の迷い」で結ばれてしまったサミュエル。突然降ってわいた難病罹患も被さり、どんどん彼女の苦悩が増す・・その末期に有った彼女の死は自殺❔殺害?10日で終わる裁判の場面が文字通り刻々と読み手のガリガリと伝わってくる。これは面白さ抜群、止まらない。2020/01/17
星落秋風五丈原
62
ミステリを読むつもりで入口をくぐったら出てくるときにはラブストーリーの出口になっていた。2015/04/10
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