- ホーム
- > 和書
- > 新書・選書
- > ノベルス
- > ハヤカワポケットミステリー
出版社内容情報
敏腕捜査官マークとシリアの奇人アサドの珍コンビが帰ってきた！ 今回二人が挑むのは、二十年前に発生した兄妹の殺害事件だった……
内容説明
「特捜部Ｑ」―未解決の重大事件を専門に扱うコペンハーゲン警察の新部署である。見事に初の事件を解決したカール・マーク警部補と奇人アサドの珍コンビ。二人が次に挑むのは、二十年前に無残に殺害された十代の兄妹の事件だ。犯人はすでに収監されているが、彼一人の犯行のはずがない。事件の背後には政治経済を牛耳るあるエリートたちの影がちらつく。警察上層部や官僚の圧力にさらされながらも、カールは捜査の手を休めない―口うるさい新人も加入して勢いづく「特捜部Ｑ」の大活躍を描く、シリーズ第二弾。
著者等紹介
エーズラ・オールスン，ユッシ［エーズラオールスン，ユッシ］［Ａｄｌｅｒ‐Ｏｌｓｅｎ，Ｊｕｓｓｉ］
１９５０年、コペンハーゲン生まれ。デンマークを代表するミステリ作家。北欧、ドイツで絶大な人気を誇る。“特捜部Ｑ”シリーズ第三作で、北欧最高峰の「ガラスの鍵」賞を受賞した
吉田薫［ヨシダカオル］
関西大学文学部ドイツ文学科卒、英米文学・ドイツ文学翻訳家
福原美穂子［フクハラミホコ］
学習院大学大学院博士後期課程単位取得修了、ドイツ文学翻訳家（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ～ 1件／全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
81
ユニークやわ警部補（笑）上から止められた事件に持って生まれた天邪鬼で食らいつき、圧力や敵の奸計をせこい手段で跳ね返す…自分の関心事が唯一絶対なその姿勢に魅力を感じます。そして死ぬほど飛行機が怖いことも、新メンバーへのこき使いながらも気遣う場面も、アサドが無事と知った時の安堵も、最後に犯人（キミー）に抱いた理解も、元部下に対する責任感ある結論も、恋する女に見せる醜態すらなんて素敵なオッチャンなんやろ（笑）それにしてもコペンハーゲン狭すぎ（笑）2016/03/22
まつこ
81
今回はアシスタント･ローセ(たまげた女)が増えたことで、カール警部補はもう一人のアシスタント･アサド並の厄介者を抱えました。残念ながら、助かるよりは振り回されています。でも！そんな個性的な二人のおかげで一時的外れな方向に進むも、今回も未解決だった事件の真相に迫れたのです。とんでもなく残酷な事件(暴力･殺人･虐待)なのにグイグイ読んでしまうのは、解決して欲しい気持ちが高ぶるからかもしれません。カールたちに止めて欲しいと願ってやまないのです。2015/02/05
藤月はな（灯れ松明の火）
75
敏腕美女だけど、定時勤務を強調するローセに苦労しつつも今日もカールはアサドが掘り起こした事件に挑む。事件は数十年にも渡る、面白半分に人を殺し、貶める権力者の傲慢さによる犯罪に胸が凄く、悪くなります。一方、キミーも加害者だけど無軌道だった彼女が希望を見出した場面と相俟って彼女のラストが切なすぎる・・・・。胸が悪くなるような事件でローセの登場に危機感を抱いていたのに甘いデニッシュで懐柔されちゃうアサドが可愛すぎます。そして個人的にこの巻でもっと強烈だったのはスパイダーマンのようなアサドの姿であった・・・（笑）2013/07/22
yooou
70
☆☆☆★★ 展開というよりもどたばた感があったことは否めない。ストーリーの求心力は後半ほとんど脱力していたと思う。過去の話へのカットバックにせよ、同時平行していく場面展開にしてもアイディアはステキでしたが持て余したというところではないかと思います。素材はよかった。もっと磨けたと思う分残念でありました。2015/05/20
星落秋風五丈原
63
デンマーク版コールドケース。やめろと言われればやりたくなる天の邪鬼刑事カールが、セレブ達の過去の犯罪を暴いていく痛快作でもあり、若さゆえの過ちとはいえ、哀しい運命を背負った女性の復讐譚でもある。抵抗力のない相手に加えられる際限なき暴力と、人間の中に潜む嗜虐性が登場する。一種の勧善懲悪ともいうべき形で加害者は報いを受けるが、それでも被害者の苦しみや悲しみが癒える訳ではない。たとえ体の傷が消えたとしても、心の傷がその人を一生苛む。一つ事件を解決する度に、人間の理解できない不思議な部分を発見して行くカール。2014/03/29
