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内容説明
ダルジール警視は周囲の反対を押し切って職場に復帰した。しかし体調はすぐれず、仕事の勘も戻らない。そんなある日、古い知り合いの警視長パーディーから、七年前に失踪した部下の刑事について調べて欲しいと依頼される。パーディーは部下の死亡推定を前提に、その妻と再婚するつもりだった。だが最近妻のもとに夫と思われる人物の写真が掲載された雑誌が送られてきたのだった。ダルジールは非公式に捜査をはじめるが、背後には危険な影がうごめく―二十四時間でスピーディーに展開する、本格の巨匠の新傑作。
著者等紹介
ヒル,レジナルド[ヒル,レジナルド][Hill,Reginald]
1936年英国生まれ。1970年に『社交好きの女』で作家デビュー。1990年には『骨と沈黙』でCWA賞ゴールド・ダガー賞を受賞。精力的に大作を発表する現代の巨匠である
松下祥子[マツシタサチコ]
上智大学外国語学部英語学科卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
34
『ダルジールの死』で爆破事故に巻き込まれ、瀕死の重傷を負ったダルジール警視。『死は万病を癒す薬』では療養中のはずなのに事件を解決してしまう(お約束だから)。さて、次作たる本編では、いよいよ本格的復帰が描かれるのかと思いきや、とある一日の出来事が時系列に沿って描かれる。物語は8時10分に始まり、同じ日の23時59分に終わる。まるでダルジール版24だ。しかし英国版ジャック・バウアーと謳うには巨漢で動いたら目立って仕方がない。本編の中でも、名前を呼ばれずに何度“巨漢”呼ばわりされたことか(とほほ)。 2020/11/30
Ribes triste
18
ダルジール、職場復帰する。まだ本調子とはいえず、休日に間違って出勤する始末。そこに舞いこんだロンドン警察警視長パディからの電話。ダルジールの長い1日が始まる。ダルジールが帰ってきたという喜びと、これが最後の作品だという寂しさと両方を感じながらの読了。このシリーズは、また読み返したいと思います。2020/01/17
Yoko
10
推理小説とはいえ、ヒルは登場人物の心の中を描くのが非常に好きな作家さんだなと感じます。主役達の場合は皮肉が多くてそれは面白さでもあるんだけど、最後の方のジーナの心の葛藤はちょっと長くて苦手。最後のウィンドラッシュ・ハウスのシーンは別の映画にでも入り込んだようなサービス感があったけど(マギーがちょっと心配)、いつもながら警察が全てを解決するわけじゃなく犯罪者が全て捕まるってことでもないってとこがヒルらしいですね。2014/03/06
ハルト
8
アンタッチャブル・ダルジール健在。やはりダルジール主導の聖三位一体はいい!今回意外にパスコーが強気で、ウィールドがダルジールを感謝信頼していたりとにやにやしてしまった。代わりにダルジールも、口も態度も悪いけどさりげなく仲間としての庇護を与えていたりと、長年続くチームワークとしての安定感がありました。物語も、事件の起こった一日の時間を細切れにして進むスピーディな展開で、ラストも意外性がありおもしろかった。さすが。ただもう今年一月に亡くなられたとのことで、もう新作を読めないのかと思うと心底残念でたまりません。2012/02/04
himehikage
8
たった1日の出来事の中に、いったい何人の濃厚な人生が描かれていることか! 最後の章は、ヒルとしては異色の展開。モヤモヤして眠れない!という読者のためのオマケみたいなものか。2011/02/08