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内容説明
ジャーナリストのローダが長年放置してきた顔の傷痕を消す決意をしたのは、母親の再婚がきっかけだったのかもしれない。高名な形成外科医を訪ねた彼女は、医師の所有する荘園に滞在して手術を受けることになる。庭には古代のストーンサークルがあり、そこでかつて魔女が処刑されたという伝説が残っていた。手術の夜、そのストーンサークルに不審な光が…そして翌朝、ローダはベッドで扼殺死体となっていた。ダルグリッシュ率いる特捜チームが現場に急行するが、事件の影にはさまざまな秘密が!シリーズが、ついに重要な節目を迎える話題作。
著者等紹介
ジェイムズ,P.D.[ジェイムズ,P.D.][James,P.D.]
英国とか現代というカテゴリーのみならず、いまやミステリというジャンルそのものを代表する作家のひとり。衰えを見せぬその筆力に多くの賛辞が寄せられている
青木久惠[アオキヒサエ]
1966年早稲田大学文学部英文科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
46
ジャーナリストのローダが長年放置してきた顔の傷痕を消す決意をしたのは、母親の再婚がきっかけだったのかもしれない。高名な形成外科医を訪ねた彼女は、医師の所有する荘園に滞在して手術を受けることになる。ローダはベッドで扼殺死体となっていた。ダルグリッシュ率いる特捜チームが現場に急行するアダム・ダルグリッシュ警視長が遂に恋人エマと結婚式を挙げる。恋人や家族であるより、同僚でいることで良しとするケイト。頭の中でこれだけ理屈っぽく考えないと心は納得できなかったのだ。ダルグリッシュとの時間を慈しむケイトにきゅんきゅん。2021/07/28
紅はこべ
35
原題はThe Private Patient。健保ではない自費患者、つまり金持ちセレブかんじゃ。相変わらず殺人に至るまでの被害者や容疑者候補達の人物像が丹念に描き込まれている。ダルグリッシュものは、捜査が進むにつれ、被害者の人間像がくっきり浮かび上がるというイメージだが、本作ではある意味曲解されたまま終わっている。シリル・ヘアーの『いつ死んだのか』が鍵。この本の前に読んでおいてよかった。2010/04/06
ケイジ
17
なかなかの長編でしたが短時間で読了。とても楽しめました。初ジェイムズ作品。たくさん丁寧に書き込みなされていて読み応えありました。シリーズを追っていきたいです。2020/02/11
kyoko
16
誰が嘘をつき、誰が秘密を持っているのか。というミステリー部分と、いかにも英国的「荘園」の描写。そしてダルグリッシュとエマは無事結婚できるのか、そしてケイトは自分自身に折り合いをつけられるのか、という興味で読んでしまって、謎解き部分はもうどうでもいいという境地に。どんでん返しも何も、そもそも動機は理解不能だしあれで解決?的な。ともかく80代後半でこの小説を書いたP.D.ジェイムズに心から拍手!ダルグリッシュは理想の男性だったんだろうな。2022/06/14
アルラ
6
いや〜長かった。でも最後まで読ませる実力はさすがP・D・ジェイムズだ。「ダルグリッシュ」ものは初期に読んだ以来で、これだけシリーズとして長く作品を積み重ね、そして愛されてきたのかと思うと感慨深い。90歳を目前に書き上げたとは思えない緻密な設定、イギリスの自然や歴史に対する深い造詣、登場人物の過去や抱える秘密、美味しそうな食事、それぞれ見事にかみあって結末を迎えていく。ただ、やや回りくどいセリフにイラつくことがしばしば。こんな会話してたら疲れるし、胃は痛くなるし。いやいや英国ミステリはこうでなくっちゃ。2011/04/13
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