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内容説明
貧しい娘だったわたしは、ビジネススクールに通いながら怪しげなクラブで経理の仕事をしていた。そんなある日、わたしの前にグロリアという女性が現れた。エレガントな衣服を身にまとった彼女はギャングの幹部で、暗黒街で一目置かれる存在だった。何が気に入ったのか、彼女はわたしに仕事を手伝わせ始めた。わたしは賭博、運び屋などの仕事をこなして報酬を受け、彼女の信頼を勝ち取って、裏社会でしだいに顔を知られていく。が、ろくでなしのギャンブラーに心を奪われてしまい、大きく運命が変わることに…。情感豊かに描くノワールの逸品。MWA賞、バリー賞最優秀ペイパーバック賞受賞作。
著者等紹介
アボット,ミーガン[アボット,ミーガン][Abbott,Megan]
処女長篇『さよならを言うことは』(2005年)がMWA賞最優秀新人賞にノミネートされる。三作目の『暗黒街の女』(2007年)で、MWA賞とバリー賞の最優秀ペイパーバック賞を受賞した
漆原敦子[ウルシバラアツコ]
慶應義塾大学文学部社会学科卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
panam1927
30
★★★☆☆2017/07/12
maja
18
「短編画廊」でミーガン・アボットを読んで懐かしくなって再読。裏社会の伝説の女に見いだされた主人公の募る彼女への憧れ、模倣、失敗、不信、裏切り。若い娘の背伸びとしたたかさでもって揺れる心のうちが描かれる。グロリアの風貌にきりりとしたG・ローランズの映画を思い出す。 2020/04/29
bapaksejahtera
16
2007年作品だが、時代は1960年頃。貧しい子沢山の家に生まれ、経理学校を出て賭場のある酒場の会計に勤める娘。そこに見事なスタイルにりゅうとした衣装を纏う中年の女が屡々やってくる。ギャングの幹部で集金に来る彼女は、その娘に声を掛け、自分の部下になるよう誘う冒頭。女幹部の薫陶により娘は次第に信頼を獲得するが、何となく彼女の思い入れを娘は重たく感じるようになる。彼女の代理で働く娘に、余り成果の上がらぬギャンブラーの虫が付くお決まりの展開の後、彼女を襲う暗黒街の試練。最後は果たしてハッピーエンドか判らぬ収まり2024/05/20
スイ
14
ギャングの幹部として裏社会を取り仕切る女と、彼女に見出された何も持たない若い女。 二人の愛憎とスリリングな展開がとても面白く、一気読みした。 結末もいい。 要所要所のロマンティックさの度合いがちょうど良くて、切ない余韻に浸れた。2016/10/20
図書館小僧
7
とにかく色をよく描写する方なのだけど、その色使いが印象的で、おしゃれな映画をみてるみたいだった。ソール・ライターの写真に雰囲気似ているかも。モノクロの街にぽつりと赤があるような。内容はちまちまして薄汚い裏社会の話なのだけど…。ハードボイルド小説特有の気取り会話も楽しんだ。2023/03/03