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内容説明
わたしは殺人を計画している。場所はサンフランシスコ、九月八日夕方に実行する。犠牲者は女性…奇怪な書き出しで始まる手紙の送り主は、P・Sとだけ名乗っていた。殺人の顛末を手記にするから出版しないかというのだ。業績不振に悩むニューヨークの出版社社長コステインはこの話に飛びつき、すぐに自分の愛人であり編集部長のジーナを伴いサンフランシスコへ向かう。だが、それは周到に仕組まれた罠だった。殺人現場に誘い込まれ、ニューヨークへと逃げ帰った二人の前に現われたのは…サプライズの名手がミステリ界を唸らせたデビュー作。
著者等紹介
ニーリイ,リチャード[ニーリイ,リチャード][Neely,Richard]
ニューヨーク生まれ。新聞記者や広告業界を経て、1969年に『愛する者に死を』で作家デビュー。その後、約15年間の作家生活で合計15冊の長篇を発表した
仁賀克雄[ジンカカツオ]
1936年生、早稲田大学商学部卒。作家、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめ
30
時代を感じるストーリーと設定。これを読むとミステリィも時代と共に進化しているんだなぁと感じた。犯罪も年々複雑になっていくのですね。作中に出てくるみなさんが、とても素直で、簡単に騙されていて、なんとなくほのぼのとしました。2016/01/27
hit4papa
29
傾きかけた出版社の社長に元に届いた一通の手紙。そこには、これから起こす殺人の手記を出版をしないかという誘いが書かれていた、という騙しの職人リチャード・ニーリイのデビュー作です。当然ながら主人公は殺人事件に巻き込まれてしまうのですが、殺人犯と疑われ、どんどん深みにはまっていくという王道の展開になります。倒錯趣味炸裂、お得意の異常心理サスペンスで、真犯人当てとしても良くできていています。その後の作品のように、異常さが尖がっておらず、ラストにもうひと捻りが欲しいところです。翻訳がちょっと読み難いのも残念。2017/10/05
紅はこべ
9
エディプス・エレクトラ両コンプレックスの典型的な人物造形に時代を感じる。当時はフロイト信仰が強かったんだろうな。マイクもジーナも簡単に罠にかかりすぎだ。2015/01/11
のうみそしる
4
全体的にちょっと不自然な感じ。心理学やトラウマなどを物語に取り入れたのは当時としては画期的だったのだろうが、なんとなく安易で本質をついていない感じ。2021/11/24
地獄のデスマッチ
2
登場人物も少ないし、単純な話なのでさらっと読める。でもそれだけ、な作品とも言える。人物描写が安っぽいのがなんとも残念。2012/01/31