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内容説明
若い女はバスから降りてくるところだった。魅力的な美人だ。彼はすぐにはあとをつけなかった。最初はそのつもりすらなかったのだが、それは自分の意志とは無関係に起こっていた。彼女には近づいてくる足音が聞こえている。彼は大股の足取りになった。彼女はおびえている。なんなく追いつけるだろう―戦争から戻ったディックスは、女性を狙う連続殺人鬼となっていた。東海岸から華やかなハリウッドへやってきて、大胆不敵に犯行を重ねる彼が、次に目をつけた獲物とは?ハンフリー・ボガートが、自ら製作・主演した名作サスペンス映画の原作。
著者等紹介
ヒューズ,ドロシイ・B.[ヒューズ,ドロシイB.][Hughes,Dorothy B.]
1904年カンザス・シティ生まれ。1930年代からミステリ評論家として活躍し、1940年に作家デビュー。サスペンスやスパイ小説を得意とし、1978年MWA賞の巨匠賞を受賞している。1993年没
吉野美恵子[ヨシノミエコ]
日本女子大学英文科卒。英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
15
カリフォルニアを舞台にした連続殺人もの。主人公がその殺人鬼なのだけど、その殺伐とした空っぽの生活と、すこしずつ彼が追い詰められていく過程が、重苦しく熱っぽい。グロテスクな描写はいっさいないけれど、主人公の内面の描写がまさに偏執的で恐ろしい。そしてあくまで彼の目線でしか語られないこの物語が終末を迎えると、かれはどこで間違ったのかを確認したくなって読み返したくなった。地味だけど読み応えあります。2018/04/21
tai65
2
星4つ2018/09/09
shiaruvy
2
【2003.06.30初版】 ポケミス1733番 これもボギーの映画原作本。 監督もボギーだったかな?2017/09/06
hikarunoir
1
人称とプロットの混乱・破綻こそが、殺人鬼の内面の殺伐さ(と凶行の原動力となるトラウマの影)を却って強調している。2013/01/30
ちの
0
Amazonアメリカ版の読者レビューでハードボイルドのトップに挙げられてる作品ということでしたので読んでみました。自分は楽しめましたが、ランキングにある他の作品、チャンドラー、ハメット、ロスマクやローレンスブロックなどメジャーな作品群とはかなり異なるジャンルの作品になります。そもそも探偵は登場しません。むしろジム・トンプスンの小説に近いイメージです。トンプスンが好きな方には合うのではないでしょうか。但し、暴力的なシーンは出て来ません。2019/08/18