Hayakawa pocket mystery books
雷鳴の夜

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  • サイズ 新書判/ページ数 158p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784150017293
  • NDC分類 933
  • Cコード C0297

内容説明

旅の帰途、嵐にあったディー判事一行はやむなく山中の寺院に一夜の宿を求める。そこは、相次いで三人の若い女が変死するという事件が勃発した場所だった。到着早々、判事は窓越しに異様な光景を目撃する。昔の兜を被った大男と裸で抱き合う片腕の娘―しかし、そこは無人の物置のはずで、しかも窓すら無い部屋だったのだ。怪奇現象か?幽霊か?何者かの悪戯なのか?ディー判事の悩みをよそに、夜が更けるにつれ次々と怪事件が襲いかかってきた!古代中国に実在した名判事を主人公に、巧妙なトリックと大胆な推理を展開する人気シリーズ。

著者等紹介

ヒューリック,ロバート・ファン[ヒューリック,ロバートファン][Gulik,Robert van]
1910年オランダ生まれ。外交官として各国に駐在し、1964年からは在日オランダ大使。いっぽうで、唐代に実在した名宰相狄仁傑を主人公にしたミステリで人気を博した。1967年東京にて没

和爾桃子[ワニモモコ]
慶応義塾大学文学部中退、英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

57
唐の道観(道教の寺)を舞台にし、唐初期に実在した人物を主人公としているが、書いたのは、在日オランダ大使をつとめ、東京で亡くなったオランダ人。舞台こそ東洋だが、怪しげな古い寺院、そこで過去に起きた曰くありげな事件、新たな美しく若い娘に降りかかる災難と、ゴシックホラーっぽい作品。もう少しなんとかできそうだが、B級感が強いのは、本職ではないからだろうか。2022/02/07

tom

25
先日読んだのが「古代中国の24時間」という面白本。そして思い出したのがヒューリックの中国の唐時代をネタにしたミステリー。この本は見落としていた。主人公はディー判事。裁判官と地方行政官を兼ねる人物。ディー判事は旅の途中、嵐に遭い、やむなく道教寺院に泊まる。そして、女性3人の不審死を知る。彼は、正義を愛し、秩序を守ろうとする人。当然のこととして、不審死の謎に立ち向かう・・。古代中国での探偵物語、上記の「24時間」を読んで面白さが増しました。ちなみにディー判事は実在の人物がモデル。2023/06/05

ぐるぐる244

8
狄判事もの3編目。この世界観に慣れてきたのか、あっという間に読了、かつ犯人の目星も。「法を代表する者として復讐は私ひとりが行なう。そして、責任も私ひとりが取る」って、キメの台詞も時代劇っぽい。2018/12/01

spica015

4
嵐により山寺に一夜の宿を求めることとなった狄判事たち。異様な光景を目撃したことからこの山寺の内情を探りだすが、これはもう探偵気質が染み込んでしまっているからだろう。狄判事は体調不良の所為か普段より愚痴っぽく、食事や建物やら色々ケチを付けているのが面白い。中篇なので事件はそれほど複雑ではなく、旅芸人やら寺の道士やらの登場人物が事件を賑やかなものにしている。相変わらず最後はぞっとするが、旅のお伴の3人の妻たちが微笑ましくて、ほっとする。2018/04/23

sin

3
面白いのは、普通この手の筋立てだと限られた人数が嵐の・吹雪の・等の、山荘や絶海の孤島に閉じ込められて、その中で事件が…となるところだが、関係する人物以外にも語られていないだけで大勢の人がいる設定であるということ、そういったしぼり方であったほうがもっとミステリー色が強く感じられたのでは、と思いもしますが、そうした物語のお約束に自分自身が縛られているのかも2012/09/24

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