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内容説明
保養地で出会った美しい寡婦ヴァンダと「理想の男女関係」を築こうとする夢見がちな青年ゼヴェリン。女王と奴隷の支配関係を望み、毛皮を着たヴァンダを崇めてその残酷な扱いに身をゆだねていくが、嗜虐行為はエスカレートしていき……。かの「マゾヒズム」の語源となった著者の代表作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
41
異常性愛の物語でした。女王と奴隷の関係に行きつき、残酷な扱いに身を委ねることで、より残虐行為がエスカレートしていくのが恐ろしかったです。「マゾヒズム」の語源が物語の象徴なのでしょうね。2023/11/05
Shun
37
マゾヒズムの語源となった著者マゾッホ。勤勉な青年ゼヴェリンは、女神の如き魅力を放つ女性ヴァンダと出会い恋に落ちる。互いに好意を抱くものの、男には彼女の奴隷になりたいと願う被虐妄想があり、そのために二人の関係はただならぬ波乱の様相を呈する。愛するが故にどうか鞭打ってくださいと懇願する男。今でこそ多様な趣味嗜好が知られ日本の作家にも影響を及ぼしたマゾヒズムと言う概念だが、当時の西洋でどう受け止められたかは想像できる。マゾに目覚めたきっかけは若き日の体験、そして裸身を覆う毛皮の重要性を説く男の魂の叫びを聞け。2023/01/22
かふ
20
マゾヒズムが知的なゲーム(プレイ)のように感じるのは、作者のマゾッホの文学的知識故なのか。ホメロス「オデッセウス」のさまえる人に自身を喩えるように愛という幻想の中に様々な古典文学を読み込もうとしているかのようだった。毛皮を着たヴィーナスは、悪魔的な野生の魔女であるべきなのに、最初はほとんど人間らしい対応を見せるのだが、ゼヴェリンの強引さ(それは愛なのか?)に負けて屈服してしまうのはヴェンダが理知的な女性だからである。2025/08/04
K
12
マゾッホは、かの有名なマゾヒズムの語源となっているという。Sの方は知っていたが、Mの方は初めて知った。流石に過激すぎるプレイとかは描かれてなかった。支配されたいが、自分から離れてしまうのではないかと恐れているゼヴェリン、なよなよしてんじゃないよ!もっと勇ましくなれよと、本のこっち側で鞭を振るう私がいた。それはともかく、面白かった点は、彼が当初は女神像に恋している場面だ。生ある限り至れない全体的、神秘的繋がりを想起させられた。あとは、肉欲を超越した(übersinnlich)という単語が気になった。2022/08/28
ケー
9
いわゆる「マゾヒズム」の出発点たる作品で、確かにマゾ描写は多々あるのだけれど、それ以上にお互い不器用な男女のとにかく面倒臭い恋愛喜劇のように読めた。苦手に感じる方はおそらくいるだろうし、それは全く問題ないと思うのだけれど、少しでも興味があるなら読んでみるのがいいかも。いい意味で期待を裏切られた。2022/08/17
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