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内容説明
人生はいつも明るい日ばかりではない。人は誰しも心に闇をもち、時には暗く深い崖を覗き込む…いかがわしい雑誌の投書欄に寄せられた、老人の風変わりな欲望。毎年クリスマスに誕生日を迎えるサラリーマンに、突然襲いかかる奇妙な衝動。美人女優にそっくりといわれた平凡なOLがとる破天荒な行動。拳銃を片手に妻の愛犬を散歩に連れ出す中年男の真意。モーテルで逢い引きを重ねる不倫カップルの行く末―日常の小さな出来事から殺人事件まで、人生の闇を描いた七篇を収録。巨匠マクベインが『暴力教室』のハンター名義で贈る傑作短篇集。
著者等紹介
ハンター,エヴァン[ハンター,エヴァン][Hunter,Evan]
1926年ニューヨーク生まれ。53年の出世作『暴力教室』は映画化もされ、大きな成功を収めた。またヒッチコック監督の映画「鳥」の脚本を担当するなど、幅広い分野で活躍している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろゆき
4
著者はマクベインの別名。うちのめされた。短編集だがこのような各作品がアメリカで出版されていないことに、日本よりモラルが厳格なのだろうが、商品性に対する判断の厳しさを感じさせられた。『小さな小さな欲望』小人しか愛せない老人の孤独な彷徨と熱意。悲劇的歩みにどう忠告すれば…。『映画スター』誰?私。誰?キム・ノヴァクだよ、あたりでイデオロギー論まで考えた。『モーテル』三幕の喜劇のような、慄然とするような。『誕生パーティー』凄い。飛び込みの女性が美しい。ほか三篇。2013/03/27
ギルヲ
3
表題作よりも『映画スター』や『モーテル』といったアメリカで雑誌掲載を見送られたものの方が印象深い。ミステリとは違うけれど、人の昏い部分のスケッチという感じが私好みでした。面白かった。2018/05/08
訃報
3
人の心こそ最大のミステリである。粒ぞろいのハズレなしだがあえてお気に入りを選ぶなら『モーテル』かな。不倫カップルのウィットに富んだ痴話喧嘩とかおもしろすぎるわ。劇か映画で観たい。カバーデザインもオサレで良いと思ふ。2013/01/06
くさてる
2
著名なミステリ作家なので興味があって短編集を読了。しかしミステリだと思ってたら普通小説。面白かったので良し。自分が女優に似ている事に気づいたOLが滑り落ちていく意識の闇を描く「映画スター」が印象的で怖かった。2010/09/15
つゆ草
1
巨匠マクベインの別名義の珠玉の短編集。というか、マクベインこそが別名義だったとは驚いた。どれもこれも皮肉と哀愁に満ちていて、インテリが好んで読みそうだ。「馘首」の駆け引きやその結末は私好み。その他の話も嫌いなものはなにもなかった。2014/06/08