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内容説明
英国南部の海岸に、女の溺死体が打ち上げられた。すぐに身元は映画女優のクリスティーン・クレイと判明。現場の状況から事故死とも考えられたが、ロンドン警視庁のグラント警部は背後に殺人の臭いを嗅ぎとった。容疑者としてクリスティーンの別荘に滞在していた青年ティズダルが浮上するが、警察の動きを察知して行方をくらましてしまった。そんな折り、クリスティーンの遺言が開示され兄ハーバートへの奇妙な遺言が明らかになった!名作『時の娘』のグラント警部初登場。ヒッチコックの「第3逃亡者」の原作としても知られる黄金期の傑作。
著者等紹介
テイ,ジョセフィン[テイ,ジョセフィン][Tey,Josephine]
1896年スコットランド生まれ。1929年からゴードン・ダヴィオット名義で執筆していたが、36年からはテイ名義で作品を発表。歴史ミステリの傑作『時の娘』発表直後の52年に死去した
直良和美[ナオラカズミ]
お茶の水女子大学理学部卒。英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
25
リチャード三世の真実に迫る「時の娘」で登場したグラント警部の初登場作品。犯人の言い分に思わず、目を疑いたくなります。色々、奮闘する背伸びしたがりだけど年相応な女の子、エリカが大好きです^^2013/04/11
ごへいもち
17
メインの登場人物は魅力的だけど…2018/09/17
紅はこべ
16
アラン・グラント警部初登場作品。ヒッチコック映画の原作だそうで。グラントは直感で容疑者が犯人ではないと思っていても、状況証拠が揃えば、逮捕もやむなしという姿勢。感情には流されず、また自らの過ちを認めるのも吝かではないという、清々しい人物像。『時の娘』で人間の顔に興味があると言っていたグラント、本作でもその傾向が見られる。毛色の変わった少女の活躍も面白い。2008/06/09
madhatter
8
再読。所謂読者参加型の推理ではないし、真相もあっさり目だ。「有罪なのは誰か」より「ティズダルの無罪」を立証する方にウェイトを置いて、物語を牽引しているような印象を受ける。真犯人や、魅力的な題名の由来となった人物を含む容疑者は複数存在しているのだが、いずれも露出が少ない。と言うか、彼ら以上にティズダルやエリカが目立っているのである。特にエリカの頑張り方が非常に可愛らしく、退屈はしなかった。どちらかと言えばグラントも、彼等にキリキリ舞いさせられているようで、それが楽しい(笑)。2011/10/18
tsato
8
黄金期の作家的な位置付けのテイだが、名探偵というより平凡な警官のグラント、不合理な動機、捜査の合間の風俗描写等、黄金期から現代ミステリへの過渡期の作品、というよりは現代ミステリそのもの。尤も、各容疑者をじっくり描写していく現代英国ミステリ(ジェイムズとかクリーヴスとか)に比して、エリカの活躍する中盤以外はほぼグラントの視点から捜査をしていくだけで、風俗小説的、群像劇的には薄味。逮捕されそうになって錯乱した犯人の支離滅裂な台詞は面白かった。2011/08/08
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