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内容説明
迷彩服に身をつつみ、偽物の拳銃を手にして森林のなかで実戦さながらの戦闘をくりひろげる戦争ゲーム。その最中に、ひとりの若者が実弾をうけて死亡した。ちかくの山で鹿狩りをしていたハンターの流れ弾が命中したのか?調査員を引退したブランドステッターは、恋人のセシルから事故の件を知らされた。それによると、死亡したのはセシルの勤め先のテレビ局にいたヴォーンという若者で、人種差別主義者であったという。当然、敵も多く、そのうちのひとりに殺されたということも大いに考えられた。しかも、ブランドステッターが調査を開始してみると、ヴォーンと同棲していた女性が、事故の直後に自分の幼い息子をつれてどこかへ姿を消していることが判明した。彼女はなぜ逃げるように去ったのか?そして、どこへ?アメリカ社会にはびこる人種差別の実態を、ホモセクシュアルの調査員ブランドステッターが鋭く抉る問題作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
100
老いた保険調査員のデイヴが複雑に入り組んだ殺人事件の真相を明らかにする。デイヴはゲイであり、アメリカの社会の中では少数派だ。少数派である心の痛みのゆえに、子供や女性、黒人などに優しい眼差しを向ける。この点がこの物語を奥深いものにしている。殺人事件の犠牲者は人種差別主義者で、複雑な家庭環境の下で育った。このあたりの描き方は非常に巧みで、田舎町の息が詰まるような保守的な生活が丁寧に書き込まれて説得力がある。二転三転する後半のプロットは、ぞくぞくする面白さ。結末で明かされた犯人は意外な人物だった。2017/03/28
黎
4
シリーズ11巻目のこの巻の人物紹介で初めてセシルが「デイヴィッドの愛人」から「デイヴィッドの恋人」に昇格してる。このあたりの微妙な言葉遣いは気にしてほしいものだ。こういう盛りを過ぎた感のあるヒーローの、人生や過去込での戦いは嫌いじゃない。2013/03/19
canabi
1
44−20182018/06/23
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