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内容説明
夜半近くにオランダのフークを出航したヴァイキング・プリンセス号の船上では、ちょっとした騒ぎがもちあがっていた。いつもなら予約なしでも楽にキャビンを確保できるのに、今夜ばかりは団体客のせいで全部ふさがっていたのだ。あてがはずれた客たちは口々に苦情を申し立てた。なかでも一人旅の小柄な男は執拗だった。船員に訴える態度は半狂乱に近かった。翌朝フェリーがイギリスに到着したとき、寝台席でくだんの小男の刺殺死体が発見されたのだ!ますます円熟味を増す筆で、英国ミステリの伝統の上に独自の世界を築きあげる作者が、『死のクロスワード』に続いて自信を持って送り出す秀作本格推理。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨコケイ
1
ヘンリ&エミー・ティベット物。念願の仏旅行が中止になり意気阻喪するエミーを、オランダへの小旅行に連れ出した主任警視だったが、復路の旅客フェリーで殺人に出くわす。被害者は宝石強盗の一味であり犯罪組織が絡んでいるとおぼしき事件で、やがてエミーにも魔の手が…。姿の見えない〈敵〉と対峙するスリラー乃至捜査小説風の道行き。たぐるほどに謎めく陰謀の真相とは。一応ツイストもある。オランダの〈階級性〉の旧弊に触れているが、同じく階級社会の英国に言われたくはないだろうな。2024/09/16
Jimmy
1
モイーズの中でも展開が見事にダレがなく要素てんこ盛りの豪華プロットの傑作。なんですが、オチだけがやり過ぎと感じました。そこまで凝らなければ本当に代表作になったのに、と悔やまれる。2024/05/02