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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
112
第二次世界大戦中に、ヨーロッパ各国のスパイ戦に巻き込まれた英国人の技師を描く小説。巻を措く能わずの面白さ。私が最も好きなタイプの小説だった。第一級のエンタティメントでありながら、いろいろなことを考えさせる内容を持っている。特に平凡な普通の人間が、諜報合戦に巻き込まれて命を失いそうになるプロットが良い。戦争の残酷さを浮き彫りにしている。しかし、主人公のグレアムは何とか生き延びようとするのだ。最後まで先の読めない展開で、とにかくページを捲らせる。翻訳は古めかしいところがあるが、読みやすかった。お勧め。2017/02/04
ケイ
103
アンブラーを立て続けに3冊目なので、主人公に対して感情移入がしやすい。またも偶然に国際情勢に巻き込まれる。武器の専門家なのだから、第二次世界大戦が始まった頃には気を抜いたら狙われてしまうのだ。ドイツが悪の中心。イタリアも気軽に寄れない地域となる。また第一次大戦では対イギリスだったトルコは反ドイツのためにイギリス側についている。そのあたりの力関係や政治情勢が、アンブラーを読むとよくわかる。弱そうなフランス人も頑張っている。地味なのだが、味があるな。これは。2016/05/24
NAO
50
第二次世界大戦勃発後間もなくのトルコで、イギリス人グレアムが何者かに銃撃される。大戦中のヨーロッパ各国の利害関係は、本当に複雑だ。なのに、なぜ自分が狙われたのか全く自覚のない主人公ののんきさと、暗殺者までがのんびりしてなかなか殺さないところが(いたぶっているのか)、古くさいというか、味があるというか。船に乗り合わせた人々それぞれのお国柄が出た人物描写が面白かった。2016/11/17
501
17
G1000。第二次世界対戦中、重要な軍事の交渉を済ませてイギリスに帰国する技師が敵対するドイツの暗殺者に命を狙われ、殺され恐怖にさいなまれながらも、愛する家族のもとへ無事帰ろうと策を弄する。会社はこんなに重要な任務を任せながらもひとり旅をされるとはリスク高くない?と思ってしまうがそんなもん? 対戦中の他国間の人間関係が見られ、物語の中で結構な割合を含む会話が面白かった。2018/08/28
AR読書記録
3
昭和31年初版のハヤカワ・ポケット・ミステリ。戦局を左右するような重要な要件を担う社員を特段の注意もなく独りで行かせる会社といい、自分が狙われるなんてこれっぽっちも想像していない本人といい、またわりと慎み深く暗殺の機を狙う殺人者といい、なにかこう牧歌的な感じを受けてしまうのは時代か。平凡な生活と美しくもつまらない妻が待つ日常と、命を狙われ美女の誘惑に徐々に囚われていく非日常と。対比が鮮やかで、映画にもわりといい感じで作れるんじゃないかと思う。本筋とあまり関わりない脇役らのエピソードも深みを出している。2014/05/01
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