出版社内容情報
「孤独や不安といったこころの傷を抱えているからこそ、人は神の愛を自覚できる」と語った、20世紀を代表するカトリック司祭、ヘンリ・ナウエン。彼の生涯と著作をひもときながら、傷ついたこころを抱え、居場所を見出しづらい世の中を生きる私たちがそこから何を受け取れるのかを考える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
なおた
2
NHKラジオ「宗教の時間」のテキスト。ヘンリ・ナウエンは未読の人物だったので、まずはラジオ放送から導入部分として押さえてみるか…といった感じでテキスト購入、本日、読了。最終放送は2025年9月。放送、講師の酒井陽介氏はカトリック、上智大学にて教鞭を取っており、霊性神学を専門としているらしい。ナウエンは、最後にラルシュ共同体という、知的障碍者の方々が集まっているキリスト教系の「集い」に共感し、そこを自らの霊性、その終着点とした。日本には「かなの家」があるが、そこにゴール地点を見出す方があれば同系かも。2025/08/17
やまふじ
1
カトリックの司祭であり同時にハーバード大学教授(神学)であったヘンリ・ナウェンについて気軽に読める入門書。ナウェンは人間の「孤独」、「弱さ」、「不穏」、「無力感」、「不完全さ」、「心の傷」といったこれまでネガティブに捉えられてきた感情こそ「神からの恩寵、贈物、恵みなのだ」と主張する。やがて彼は教授職を捨てさり、知的障がい者施設のスタッフとなる。そこで重度知的障がいを持った青年(アダム)と出会い、一言も話すことの出来ない彼を通してイエスが啓示されていることを悟る。弱さの中に強さがあることを知る一冊。 2025/09/13
tetekoguma
1
NHKラジオの講座のテキストでキリスト者で「弱虫の神父」と呼ばれたヘンリ・ナウエンの生涯をたどりながら、弱さを認めながら手探りで自分のミッションを探していくという生き方について知ることができました。ありのままでいることの意味や尊さ、そしてライフワークというものは必ずしもすぐにはっきりとはわからないとうことなど大切なことを学びました。若い頃からイェールやハーバードと言った名門大学での地位を得たにも関わらず孤独感を持ち、晩年はカナダの共同体デイブレイクで弱気者と共同生活をしました。2025/08/14
ぺろりん
1
著者がいかにヘンリ・ナウエンに傾倒しているかは分かった。本当のところはヘンリ・ナウエンの著書をよんではじめて腑に落ちるのだろう。2025/07/07