出版社内容情報
誓願と修行を意味する仏教用語「願行(がんぎょう)」。日本とアメリカで、生涯を願行に捧げた鈴木大拙の思想に迫る講座。大拙の哲学と人生には、求道の友というべき哲学者・西田幾多郎との交遊が欠かせないものとしてあった。大拙思想の真髄を、その生涯とことばから丁寧に追う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shimashimaon
7
『唯識』に続きこのラジオ放送はオーディオブックやVoicyと共に耳読書のツールとして重宝しています。今回は鈴木大拙の思想だけでなく、その生涯に焦点を当てているので聴きやすいです。鈴木大拙の著作は読んだことがないのですが、専ら「禅」を探求したわけでなく浄土真宗の研究も行なっていることを知りました。「妙好人」やイエス・キリストについての記述は、他力本願思想に傾いている私にとって、特に興味深いです。戦争協力についての記述では、唯識に興味を持つきっかけになった岡野守也『自我と無我』を再読したくなりました。2023/09/15