出版社内容情報
アンネが生きた「隠れ家」と「広場」から見る、国際都市アムステルダムの光と影―ー
「世界を変えた本」の一つ『アンネの日記』。その著者である少女が求めたのは「自由」、ただそれだけだった――。世界の今を解くカギは、すべて歴史の中にある。誰もが一度は耳にしたことがある「歴史的事件」と、誰もが疑問を抱く一つの「問い」を軸に、各国史の第一人者が過去と現在をつないで未来を見通すシリーズの第11弾! 「自由」を求めてドイツから移り住んだ一人のユダヤ人少女が生きたその国は、本当に「自由の国」だったのか? アンネ・フランクが連行された1944年8月4日を起点にオランダの近現代史を振り返り、「不自由の上に成り立つ自由」について考える。
[事件の全容]
第1章 アンネ・フランク一家は、なぜオランダで捕まったのか
[事件の背景と結末]
第2章 ドイツ占領下のオランダで、ユダヤ人はいかに追い詰められたのか
[同時代へのインパクト]
第3章 アンネとつながった?ほんとうの”友だち
[後世に与えた影響]
第4章 オランダは今も「自由の国・寛容の国」なのか
【目次】
[事件の全容]
第1章 アンネ・フランク一家は、なぜオランダで捕まったのか
[事件の背景と結末]
第2章 ドイツ占領下のオランダで、ユダヤ人はいかに追い詰められたのか
[同時代へのインパクト]
第3章 アンネとつながった?ほんとうの”友だち
[後世に与えた影響]
第4章 オランダは今も「自由の国・寛容の国」なのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Fumitaka
2
アンネ・フランクや、彼女の日記をめぐる受容史を追いつつ、オランダの「寛容」や自由が、一方で不寛容や強制という裏の側面と矛盾せず「両立」してきた(p. 147)という普遍的な議論へと展開していく。その中で、ユダヤ人が周辺諸国よりも自由を謳歌していたはずのオランダにおいて、ナチ占領期の西欧諸国でユダヤ人の死亡率が極端に高い(p. 131)ことが、逆説的ながら、オランダ政府や当局への信頼、すなわち「受動的な服従」(p. 151)によるものだったのではないかと結論される。地図や隠れ家の構図がありがたい。2025/10/14