出版社内容情報
仏教の中で理解が最も難しいとされる密教。その思想と教えから「三密修行」「大日如来」「即身成仏」など、これだけは知ってほしい基礎知識のみを丁寧に解説。世界中の参拝客を魅了してやまない「お遍路」のお寺の僧侶が、なぜいま密教なのかを「現場の実感」から伝える、誰もが分かる入門書。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aby
3
大乗仏教より敷居が高い(ような気がする)密教もまた,「みんなの」密教だった.土着の宗教と一体化する「神仏習合」もみんなを救うためのもの.2025/07/03
ミー子
3
久〜しぶりに密教や空海の本を読んだ。やっぱり空海の教えって、全肯定な感じで、世界の全てが美しく見える感じで、好き。初学者向けの分かりやすい本でした。2025/04/28
乱読家 護る会支持!
2
密教の特徴は、「体験を重視」「護摩など他宗教との統合」「思想を言葉だけでなく、色や形などのシンボルで表現」「大師による救済」「民衆に交わっての実践活動」。。。 僕は、仏教は理屈が強すぎて腹落ちしないとずっと思っていて、密教も同じやなあと改めて思いました。 僕が仏教で腹落ちするのは、浄土教だけ。キリスト教と同じく、信じるものが救われる教えです。 救われるかどうかは、自分本位の「何をしたか」ではなく、絶対他力の「なにを信じるか」であり、そこから「利他の心」が生まれると思います。2025/09/07
くれは
2
1~3章は、一般的な真言宗の解説本でも述べられている基本的な内容。4章は空海の教えの実践者であられる著者ならではの、真言密教の現代的な意義が語られていて蒙が開かれる思いでした。私なりの解釈で書くとそれは次の6点です。「1.異なる信仰にも敬意を絶やさない」「2.真摯な懺悔の心に報いる」「3.自然と人とを分け隔てない」「4.どうすることもできないモノゴトをも受け入れる」「5.自力を捨てず他力にも頼る」「6.悟りとは、自分が世界から拒絶されていないこと、無条件に受け入れられていることを知るやすらぎである」。 2025/04/27
QUANON
1
最後の「密教は、人間の持っている生命力を発揮するための、エネルギッシュな明るい教えです」という文章に本書のすべてが集約されているなと感じた。非常に読みやすい文章で、なおかつ密教の斬新さとエネルギッシュさ、そして楽しさが伝わってきた。自然物も人工物も、そして自分自身もすべてが大日如来の分身であるという基本原理がいいなと思った。2025/05/18