出版社内容情報
「信じること」を解明する
「100分de宗教論」(2024年1月2日放送)が待望の書籍化!『予言がはずれるとき』『ニコライの日記』から『大義』『深い河』まで。豪華著者陣が名著の核心を読み解きながら、心理学やノンフィクション、政治学、文学といった「多角的な視点」で宗教をとらえる。新たな取材を加え議論を分かりやすく整理した決定版!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sayan
19
宗教とは「信じる理由」ではなく、信じ続けることによって関係性と自己像を維持・再構築する営みだ。本書が提示するこの逆説は実在のTikTokインフルエンサーがカルト化した組織に帰属し活動を強化するネトフリ『ダンスは悪魔のために』に如実に現れる。批判に晒された彼/女ら「信じている」から発信や布教を止めないではない。信じ続けることをやめた瞬間に自己・所属・意味が同時に崩壊するからだ。本書が取り上げる『予言がはずれるとき』が示す構造に一致し信念内容より信念持続そのものが社会的行為になる瞬間だ。その連鎖の地図がある。2025/03/15
グルト
3
⬛︎予言が外れても信者は予言者の新たなメッセージを信じることで、現実とのズレを修復する。信仰するものを広めて世に認められることで不協を解消する。(認知的不協和理論)こうした自己防衛反応は悪い物ではないが、内なる多面性をもつことで、異なる信条も受け止めることができる。⬛︎宗教を信じるか信じないかは、はっきりわけられない。心が弱いから信じるものでもない。信じようと思って信じる物ではない。◎宗教の基本を知りたいと思って読んでみた。体系的に理解できていないけど、心が弱いときに信じてしまうという誤解に気づけた。2025/04/11
くらーく
3
今年だったのか、放送。1月2日だって。能登地震の翌日か。録画で見た記憶があるけど、改めてこんな内容だったかな。ま、じいさんなので、最近の事は。。。 遠藤周作の深い河は、読んだ記憶はあるけど、印象には残っていないな。若くても、記憶に残っていないのよ。。。 本書で、印象的だったのは、考察のP.136。中島岳志氏のお子さんが高熱で、と言うところから、祈りを実感したところです。宗教って、教義やら解釈やらの違いで何やら難しい事でマウントの取り合いをしているように、私には見えるけど、無意識→実感→後付けの理由かなと。2024/11/30
rockwave1873
2
【予言が外れる時】認知的不協和への対処、①信念や意見、行動を変える②協和の側面を増大させるような情報や信念を獲得する:SNSによる情報入手、③不協和音を忘却する、逃避する。認知の罠から逃れる方法、①内なる多面性を育てる、②変わる事を恐れない。真面目に信仰を突き詰めれば突き詰める程、その信仰に疑いが出てくる事は避けられない。【深い河】目的を果たす為ではなく、世界を味わい、世界に応答する事で、生きる責任を果たしている。立派な存在だからではなく、弱い存在、後ろめたさを抱えた存在だからこそ、神はそこに転生する。2025/01/04
kuro
2
宗教について構造的に学び始めてみたいと思い、まず手に取ってみた1冊。色々な本のガイドがあったので、少しずつ読み進めてみたいと思います。2024/11/20
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- 和書
- 悲しみを忘れないで