出版社内容情報
誰もが一度は耳にしたことがある「歴史的事件」と、誰もが疑問を抱く一つの「問い」を軸に、各国史の第一人者が過去と現在をつないで未来を見通す新シリーズ第6弾。イギリスにはなぜ未だに国王がいるのか?一千年以上の長きにわたる「王権」と「議会」の絶妙な関係について解き明かす。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
114
流石の君塚先生。欧州大陸の国々の大半が絶対君主制だったのに、なぜイギリスで立憲君主制が確立されたのかとの問いに、歴史を踏まえての極めて説得力のある見解が示される。名誉革命の重要性は承知していたけれど、ウィリアム3世の卓越した力量や、責任内閣制を定着させたウォルポールの存在の大きさなど、新たな気づきを得た。市民革命で絶対王制が崩壊する中、古くから議会との共存に努めてきたイギリスが、結果的に君主制を現在まで維持させている。時代に応じて君主の役割を絶妙に変化させながら歴史を紡いできたイギリスの強かさに舌を巻く。2024/07/12
サアベドラ
39
中世から現代に至るまでのイギリス王室の来歴と国家との関わりを、17世紀の名誉革命を軸にコンパクトに纏めたリブレット。2024年刊。著者は一般向けの著作が多くある著名な英国史家。もともとイングランドは異邦の王が多く議会の力が強かったが、近世テューダー朝以降のゴタゴタとスコットランドとの抗争のなかで名誉革命が勃発、国策として立憲君主制と議会制の護持が決定的となり、これらにより早期に財政=軍事国家体制を確立、ライバルの絶対君主国家フランスを打ち破り後の大英帝国への道を拓いたとする。読み易さと専門性を備えた良書。2024/09/07
ピオリーヌ
16
2024年4月21日の刊。この日は、著者が立憲君主に最も適した逸材だったと激賞するエリザベス二世の生誕98年の日。ちなみに自分も同じ誕生日であり密かに嬉しく思っている。内容は、名誉革命を柱にし、君主制からみるイギリス通史といったかたち。「長い十八世紀」を通して「財政=軍事国家」に変貌したイギリスだが、それにはウィリアム三世の働きが大きく、またその精神を引き継いだのは(その後の歴代の王ではなく)ウォルポールやピットといった偉大な指導者たちだった。といった辺りが特に印象深い。2025/03/23
ほうすう
14
コンパクトにまとまった英国王室史。名誉革命を一つのターニングポイントとして、その大きな意義を示しつつそこに至る経緯およびそれから立憲君主制がいかに定着していったのかを分かりやすくまとめている。著者からして安定の内容で個人的にも複雑に歴史の細部に入り込みすぎず読みやすかった。プラスの面を大きく扱いすぎかなという点はあったけど。2024/06/30
組織液
12
イギリスにおける国王の立ち位置が、名誉革命を中心とした歴史の流れの中でとてもコンパクトにまとめられていて、非常に分かりやすかったです。 議院内閣制がどのように発展・定着していったのかもよく理解できました。 個人的には、イギリスで議会が発展した理由の一つとして、フランスなどと異なり、諸侯や騎士などの層が大きな納税者であった点が挙げられるのが特に興味深かったです。 そう考えると、国民からの税収に頼らなくてもよい産油国が独裁的な体制を敷いている(敷ける)理由も、なんとなく腑に落ちますね。2026/01/11
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