出版社内容情報
作家なら誰でも知ってるけど、誰もが明かさなかった「書く」ことのヒミツ、教えます。
メール、SNS、日記など、これまでにないほど日常に浸透している「書く」という営み。でも、みんなの「書く」の当たり前は間違っている?! 文章は頭で考えて書いていない? 読むより書くほうが簡単? 作家として書き続けて40年、私たちが気づいていない「書く」の本質に初めて迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
踊る猫
31
高橋源一郎はこれまでも幾度となく書くことを読者に薦める「指南書」を書いてきたが、たしかに彼のそうした仕事からは「伝道師」(悪く言えば「香具師」)の香りを感じる。多彩な書籍を引用しつつ、高橋はここにおいてぼくたち自身に内在するある種のアルターエゴ(もうひとりの自分)の力を信じること、その自分自身に積極的に語らせることを説く。だが、一見すると実にポジティブでパワフル、楽天的なこの誘いにうかうか乗っかっていいものか。鋭敏な感受性と豊富な知識を持つからこそ語れる魅惑的な誘いなのではないだろうか、とも考えさせられる2024/09/09
Roko
28
高橋さん曰く「昼間のわたし」と「夜のわたし」がいて、「昼間のわたし」の方は世間から求められること、常識の範囲で書いています。礼儀正しいメール文とか、相手に受け入れてもらいやすいレポートとかは、こちら側です。 「夜のわたし」は「本当のわたし」とも言えます。こんなことを書いたら誰かに嫌われないだろうか?とか、誰も読んでくれないんじゃないか? とか悩むことなく、本当に思っていることを書きます。嘘をつく必要がないからスラスラ書けます。つまり「考えずに」書くことができるのです。2025/03/08
てら
11
そうだよなぁ、「書く」ってそういうことだよなぁって。「考えずに書く」「書けないことを書く」の二章は面白かった。月並みな書くといいことあるよ的な本ではなくて、「書く」という行為の不思議さ面白さについて書かれていたような気がする。2024/07/31
joyjoy
9
「書く」ことで気付くことがあるのは、「書く」ことをとおして考えているからだと思っていた。自分は何かを書こうとすると、よく言葉選びにも悩み、時間もかかる。「考えずに書く」という感覚を味わったことは、自分にはない。でも、「昼間」とはちがう「夜」の感覚があるのも分かる。 3時間目、「書けないこと」を書く、では、谷川俊太郎氏の「定義」からいくつかの作品を紹介。「…それを「読む」ことで、「読む」前とは世界がまったくちがうものに見えるようなもの、そういうものをこそ「書く」べき…」と。そんな「書く」に憧れる。2024/12/02
チェアー
8
再読。 読むことと書くことはセットであり、ほんとうは境目はあやふやだ。読んでいるうちに書いていたり、書いてるうちに読み耽ることもあるはずだ。 「自分の中にいるもうひとり」を改めて考える。 2025/01/01