出版社内容情報
現代まで引き継がれる一元的支配――その原点は秦王政の「キングダム」にあった。
今の中国の一元的支配の根源は何か? 世界の今を解くカギは、すべて歴史の中にある――。誰もが一度は耳にしたことがある「歴史的事件」と、誰もが疑問を抱く一つの「問い」を軸に、各国史の第一人者が過去と現在をつないで未来を見通す新シリーズの第5弾! 初めて統一されて以降、二千年以上にわたって広大なエリアを保持し続けてきた「中国」。なぜいくたびも王朝交替を繰り返しながら、一元的支配体制は引き継がれてきたのか? 「辺境の蛮国」と見なされていた秦に現れた、希代の権力者の理想にその原点を見る。
第1章 秦王政はいかにして中華統一を成し遂げたのか?
第2章 後進国の秦がなぜ最先端の社会体制を作り出せたのか?
第3章 始皇帝の理想は中華統一の達成であり、統一の維持ではなかった!?
第4章 その後の中国大陸で二千年にわたって影響を与えた「国家モデル」の完成へ
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
30
中国はなぜいくたびも王朝交替を繰り返しながら、一元的支配体制は引き継がれてきたのか? 辺境の蛮国と見なされていた秦に現れた、希代の権力者の理想にその原点を見る一冊。呂不韋の存在、戦国の七雄の関係の変化、六国平定と郡県制などに見る秦王政の中華統一から、他国出身者の登用などに見る後進国の秦がなぜ最先端の社会体制を作り出せたのか。統一に関する同時代へのインパクトや、その国家モデルがその後の王朝にもたらした影響に至るまで、わりとオーソドックスな内容でしたけど、その分コンパクトにまとまっていて読みやすかったですね。2024/04/02
さとうしん
12
伝世文献の記述を中心とした比較的オーソドックスというか教科書的な作りの本。「古典中国」を押し出してる所がこの著者らしいといったところか。これは著者というより「世界史のリテラシー」シリーズ全体のコンセプトでもあるかもしれないが…… 目新しさはないが、特に間違ったことを書いてあるわけでもないので、手堅い内容を求める向きには悪くない本だと思う。2024/02/10
ジュンジュン
11
中国の枠組みが整う過程を、始皇帝を中心に後漢まで視野に入れて描く。2200年前に生まれたシステムが現在も生きている事に改めて驚く。その背景には国教となった儒教による共通認識があったと思うがどうだろう?2024/11/05
noko
3
私の知識不足が原因なのですが、この本でも難しかった。始皇帝時代の勉強自体初めてで、渡邉先生の本ならばと思いましたが、単語一つからの勉強ですね。もっと簡単なのあるかな?キングダムから読むか。始皇帝の六国平定の時系列はわかりました。始皇帝の生い立ち、呂不韋との繋がりがドラマチックですね。8歳まで人質で辛かったので、性格は人の情より法が優先。始皇帝も凄いけれど、李斯の頭脳が優れていますね。氏族優先の中国だったのに、氏族を解体して、人1人1人を直接支配した君主制のシステムが統治を成功させたのですね。もっと学ぼう。2025/02/28
youmaysay
3
歴史的事実がつらつらと続き期待していた面白さにはいたらず2024/07/12
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- 和書
- 12支占 〈2010年〉