出版社内容情報
悩み多き季節を生きる若者たちに贈る、本との幸福な出会い
舞台は静かな森のなかにあるプライベート・ライブラリー「理想的本箱」。漠然とした悩みや不安を抱えるティーンのために、ブックディレクター・幅允孝が、テーマにそって、小説やノンフィクション、詩集や翻訳書、コミックや絵本など、さまざまなジャンルから選書を行い、それぞれの作品の魅力を語る。ライブラリーを主宰するのは吉岡里帆(俳優)、司書を務めるのは太田緑ロランス(俳優)。3人の鼎談もお楽しみに!
本誌で取り上げる8つのテーマは、制作チームが図書館に設置した二次元バーコードやツイッターを使って集めた生の声を反映したものとなっている。本とのすてきな出会いによって、モヤモヤした気持ちが軽くなったり、これまでとは違ったものの見方ができるようになったり、好奇心が刺激されたりすること間違いなし。
出版化にあたり、番組で取り上げた24冊に加え、「選書Others」として新たに32冊をセレクト。星の数ほどある本のなかから選ばれた56冊とは──。著者のユニークでエッジの効いた選書と、愛情がつまった作品解説が味わえる珠玉のブックガイド。
第1章 将来が見えない時に読む本
第2章 母親が嫌いになった時に読む本
第3章 父親が嫌いになった時に読む本
第4章 もう死にたいと思った時に読む本
第5章 ひどい失恋をした時に読む本
第6章 もっとお金が欲しいと思った時に読む本
第7章 同性を好きになった時に読む本
第8章 人にやさしくなりたい時に読む本
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
115
NHK「理想的本箱」の書籍化。お気に入りの温泉宿「箱根本箱」でロケをしていたので、以前からチェックしていた番組なので、早速購入しました。選書家の幅允孝が読書家の吉岡里帆と司書の太田緑ロランスとテーマに沿った本を3冊選ぶ内容。既読の本もそうでない本も、本の紹介の仕方が読書会のようで興味をそそられます。たくさん読みたい本はあるけれど、茨木のり子「自分の感受性くらい」と「歳月」の一部も載る「永遠の詩02」は手にとって味わいたい。人にやさしくなりたい時に読む本で紹介された「夕べの雲」庄野潤三も気になりました。2023/08/06
山猫
14
Eテレの番組をまとめたもの。全部リアルタイムで視聴済みだったので、わざわざ借りるまでもなかった。 2023/09/01
ムーミン2号
8
若い人たちの声をもとに選書テーマを設定し、ブックディレクターの幅允孝(はば よしたか)さんがテーマに関連した3冊の本を紹介する、という番組の書籍化。本書では「選書Others」としてさらに各テーマ4冊が加えられており、8テーマ、計56冊が紹介されている。ジャンルも幅広い選書で、テーマによって、人によっては刺さる本もあるだろうし、そこからさらに本の森に分け入ることもできるだろう、と思った。放送番組の書籍化だが、放送全てが収められているわけではない。Part2を期待してしまうほどに、内容は興味深かった。2024/02/23
サンボ
7
本を選ぶ、人に勧めるというのはすごく難しい事だと思うので、出来るだけおすすめは素直に受けて試してみる事にしている。このブックガイドはテーマごとに特におすすめの本を3冊選んでくれていて、おすすめ積極受け入れ派の自分でも驚くくらい魅力的なプレゼンでとりあえず片っ端から読んでみる!くらいのやる気を喚起してくれました。本来は悩み大き季節を生きる若者へのブックガイドとの事ですが全世代におすすめです。2023/11/08
ganesha
7
将来の不安、父母との不和や失恋など、若者の悩みにそっと寄り添ってくれる本を紹介するEテレの番組の書籍化。角田光代を「登場人物の年齢や性別、性格などを瞬く間に超越して、彼ら彼女らの世界に読者をワープさせる達人」と称し、「本はただテキストを解釈するだけでなく、自分に積層したアイデアを自身で変貌させる余白と時間を与えてくれます」という著者の言葉が印象に残った。太田緑ロランスの「想像力を誰かのためや、何かのために使えることがやさしさ」も。2023/09/03