感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Lee Dragon
17
ノーベル化学賞の吉野さんのロウソク科学の解説、メインは自身の研究のお話になるが共通点は「法則とは定義された特定の状況の中で起こる現象の記述であり、その特定の状況が何かを見極め、その状況以外であれば新しいものが見つかる」ということであった。確かに、光速に近い速度では相対性理論、微小空間では量子力学と、条件を変えた先で新しいブレイクスルーがたくさんあった。知的な雑談を聴いている気分になり、実に有意義な読書だった。2023/08/17
nbhd
15
ノーベル化学賞の吉野さんのサイエンス魂に火をつけたロウソクの科学についての講演録。地球では、赤く細長く立ちのぼるロウソクの炎。さて、宇宙ステーションで、ロウソクはどのように燃えるのか?物理の勉強をしていて気になっていたファラデーさん。製本職人から大科学者になったっていう生涯は、理系的立身出世のロールモデルになっていそうだ。2021/05/25
conegi
4
タイトルにはロウソクの科学が銘打たれているが、それはあくまで起点であって、科学の考え方全般について。講演の会話形式ということもあり、読みやすい。良く、常識にとらわれない発想が良しとされるが、それは常識の理解があることが前提であって、常識の履修を怠ってよいという話ではない。芸の世界での守破離にも似た考え方。ロウソクの科学、以前に読んだときはいまいち取っ付きにくくて流し読みになったが、また読み直してみようかな。2023/10/09
takakomama
3
2021年の「カドフェス」の「ロウソクの科学」の予習。理系が苦手な私でも理解できたような気がします。未来の「CASE」の話は信じられないし、実現してもアナログな私はついていけないと思います。電力不足や、停電したらどうなるんだろうと心配になります。2022/05/06
Macallan
1
ロウソクの科学に始まり、科学者としての心構えや、科学技術がどのように世界を変えていくかを、自らの研究分野であるリチウムイオン電池をテーマに解説する本。高校生への講義が元なので読みやすい。企業に所属する研究者だけあって、実装への意識を強く感じた。「常識にとらわれない発想」は法則、定説、常識の条件をきちんと理解するところから始まるという指摘はその通りで、やはり何をやるにも基礎を固めることが大事だと感じる。 2024/11/04