出版社内容情報
アーサー・ウェイリーよる英訳で世界文学となった「ウェイリー版・源氏物語」。本書が現代語に訳し戻されたとき、紫式部の描いた世界が類を見ない分かりやすさと面白さで立ち上がってくる!光る君は「シャイニング・プリンス」、御簾は「カーテン」……古典の教養がなくとも読める魅力を紹介。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
169
100年前に英語に訳された『源氏物語』の、現代日本語版がいかに面白いか、具体的に良く伝わって来た。六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)がレディー・ロクジョウ、験者(げんざ)がエクソシスト…とは超わかり安い! 能楽師・安田登さんならではの解説で、シーンが浮かび上がってきた。光源氏の成長を”序・破・急”で説明は、お見事だった。2024/12/17
れみ
60
NHK-Eテレ「100分de名著」2024年9月のテキスト。紫式部の「源氏物語」を英訳した「ウェイリー版・源氏物語」と、毬矢まりえさん・森山恵さんがウェイリー版を日本語訳した“らせん訳”を紹介。日本の古典を訳すとき、ヨーロッパの文化に寄せたり、それを再び日本語に訳すとき現代の日本人がヨーロッパの人や文化に抱くイメージに寄せて日本語訳しているのが興味深い。「光る君へ」は見ていないんだけど、大河ドラマとか時代劇とかって実は歴史の“らせん訳”みたいなものなのかも…とふと思った。2024/09/24
shikashika555
46
ずっと気になりながらも手が出せてないウェイリー版源氏物語を「100分で名著」で! いそいそとテキストを買い視聴中。 日本の古典を英訳し、それをまた和訳した作品。 所々笑ってしまうくらい洋風で現代風のシャイニング・プリンスだ。 しかし曖昧な部分が削ぎ落とされて主語がはっきりしている分 とても分かりやすく読みやすい。 解説者は能楽師 安田登さん。解説で印象的だったのは「(物語)当時、来し方行く末を考える力はおそらくエンペラーやそれに類する人だけが持っている能力だったと思われる」という部分。2024/09/19
rokoroko
28
ウェイリーが世界で初めて訳した源氏物語の解説。放送を見逃していて残念。末摘花が色が白く鼻が長いのをあまり醜いと思っていないウェィリー氏。「光る君へ」を見ているからかもしれないがシャイニングプリンスのインパクトは大きい。私の好きなロマンス作家が読んでいたら刺激受けたかもと考えるのも楽しい。面白い2024/09/29
もえ
28
能楽師安田登氏が講師で「ウェイリー版・源氏物語」を読み解く番組のテキスト。図書館でも官能的な表紙と分厚さで異彩を放っている「ウェイリー版・源氏物語」だが、俳人の毬矢まりえ&詩人の森山恵姉妹の「らせん訳」で、時空を超えて源氏物語を現代的に読むことができる。「あはれ」も様々な言葉で自由に訳し、現代の我々にも通じる感動を与える。安田氏が能「葵上」と比較され、時間が経っても死んでも無くならない「残念」という感情を鎮魂するのが能で、ウェイリー版で六条御息所の心のうちがより理解できたと言われていたのが印象的だった。2024/09/25
-
- 海外マガジン
- PEOPLE SPECIAL**