出版社内容情報
戦国時代を最後に制し、260年に及ぶ江戸時代の礎を築いた徳川家康に、作家・司馬遼太郎が真っ向から取り組んだ小説『覇王の家』。鋭い人物観察と歴史への洞察力から浮かび上がる「知られざる家康」像を読みとき、また司馬がいかに歴史と切り結んだのか、その視点と方法に改めて光を当てる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
どりーむとら 本を読むことでよりよく生きたい
16
参考になった。一つ目は、司馬遼太郎は登場人物はこういう人物だと決めつけて作品を書いているということである。そういえば、今まで読んだ本も作者によって登場人物の性格が窺えるように書いてあると思えた。二つ目は、城を出て三方ヶ原の戦いになぜ参陣したかである。確かに、自分たちが占領した土地の人のためには、戦う必要があったかもしれない。三河の兵が全て前を向いて死んでいたというのはどうかなと感じたが。三つ目は、歴史は人間により作られるということを感じた。三河武士の気質というものが江戸時代の政治の在り方に影響してる。2023/08/10
歩月るな
14
なるほどこれが「推し語り」と言うものか、という視点で見ればなるほど納得。分からない人に向けてのプレゼンではなく分かる人たちに向けて話している感じなので、よく言うなら「推し語り」と言う印象をぬぐえない。ありがたいお話もたくさんあったのはもちろんの事、司馬さん司馬さんと連呼するのも、さん付けも奇妙に感じた。そして最後の最後に本音と言うか、自己の思想を持ってくることで、本当に話したいことを一番最後に持ってくる、これは「ドアノブ効果」と言うそうですが、お手本のように仕上がっています、勉強になります。お見事でした。2024/11/09
Totsuka Yoshihide
11
100分de名著。司馬遼太郎著『覇王の家』を安部龍太郎氏が解説。私は司馬遼太郎作品に出会えて歴史が好きになりました。「三河かたぎ」🟰「中世人気質」🟰「日本人の気質」というキーワードは面白く感じた。なぜ関ヶ原の戦い、お大坂の陣を端折ったのかなどなるほどと思いました。司馬さんの時代背景にある「唯物史観」「進歩史観」「戦後の無頼派の影響」「構造主義からポスト構造主義」「トリックスター的視点で歴史をみる」を知り、司馬遼太郎作品を再読したいと思いました。2023/08/15
GELC
11
司馬遼太郎は中学生の時に『坂の上の雲』を読み、この作品は何度も読んだが、他の作品には数篇取り組んだだけで月日が流れてしまった。改めて、司馬さんから歴史観や日本人観を学ばせていただくために、本書にまずは挑んでみようと思う。また、江戸時代を学ぶことは、現代において持続可能な社会構造や個人レベルでの行動を考える上での大きなヒントになりそうで、その視点でも読めるとおもしろそうだ。2023/08/02
まりにゃ
8
徳川家康の生涯は、大変ドラマチックで興味を引かれる。私は20歳代初頭から司馬ファンなので、長らく司馬さんが好きな信長・秀吉好きだったけれども、齢を重ねるにつれ家康にこそ共感抱くようになった。まだ現在ほど歴史解明が進んでいなかった1970年に、司馬さんがアプローチを試みた家康と三河武士たち。『人間史観』こそ司馬遼太郎の奥義でしょうね。安部龍太郎氏の解説は最高に素晴らしく、氏の作品も読んでみたくなった。2024/02/12




