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産巣日(むすび)の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
井月 奎(いづき けい)
42
泉鏡花は法華経の音律を好み、たびたび作品内に引用しています。折口信夫は『死者の書』の中で鶯の鳴き声をとおして郎女のそばに法華経をそっと置きます。これもまた音を通しての接する様子です。長大な抒情詩を書きあげる二人の大芸術家が好むように法華経は音が素晴らしいのです。素晴らしすぎて私は内容のほうに目を向けることをしませんでした。その反省からこの素晴らしいアンチョコを手にしました。大雑把に一言で表すと自分への回帰、自分への考察こそが修行だということです。それは言うのは簡単ですが行うのは長く遠い道でしょうねえ。2019/03/03
しょうじ@創作「熾火」執筆中。
35
【1回目】Eテレの長寿番組「100分de名著」の、2018年4月放送分のテキスト。2回の放送を視聴したタイミングでの通読。やはり、テキストを読んだ上での視聴が望ましいと思った。「法華経」成立の背景には、さまざまな対立や不平等があったことが示されている。女人・悪人・二乗(法を聞かずに自力で覚りを得ようとする人々)も含めた、文字通り「一切衆生(全ての人々)」の成仏が説かれているという。特に、放送の4回目に当たる章で解説される不軽菩薩の振る舞いには感動させられ、学ぶべき点が多いと思った。2018/04/12
to boy
28
難しいしあまり共感できませんでした。法華経に限らず仏教は知識としては興味あるが、信仰としては素直に入り込めそうもありません。小乗仏教の中から批判と統合をするように生まれた大乗仏教は仏教の広がりに貢献しましたが現代における仏教の意義がまだ理解し難い。読み込みが足りないのは重々承知しているがこんな感想しか書けませんでした。2018/04/17
いろは
26
『品格・知性・教養がほしい。』と常日頃思いながらもがいている。その中でも、教養を身につける為にこうして読書をしている訳だが、それ以前に、『自分を大切にしなさい。』と言われることがあるが、この作品を読んで思ったことは、法華経を学ぶことは、教養としてはもちろん、自分を大切にすることにも繋がるのだと思った。そして、『自己評価が低い。』と言われることがあるが、自分を大切にすることは、自己評価を上げるということに繋がる。その為に、法華経は少なからず力になってくれると思う。私はまだ手探りだが、少しずつ学んで行きたい。2018/06/12
かず
23
読了後、感動に浸っている。私の場合、浄土教を基盤においているが、「死後浄土に往生する」という普通の読み方をしていないので、すんなりと受け入れられるのだと思う。僅か121頁に法華経の魅力が余すところなく詰まっている。否、仏教の魅力と言ってよいと思う。仏教の魅力とは「平等」を詠っていることだと思う。キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、儒教・・・など、差別思考に陥りやすい教えは世に多いが、本書にある通り、仏教は己の偉大さに気づくことで他の存在も同じく尊いのだと気づくことにより、平等思想に至れるところだと思う。続く2018/04/24