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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
to boy
22
日清戦争時に刊行され、日露戦争時に改版されたものだそうです。5人の日本人を紹介しながら、当時西洋中心の世界に東洋人も同じように同格の人種であることを主張したかったのと、内村の「日本固有の霊性についての考え」を記述していると思いました。宗教の違いを乗り越えた人間としての生き方、理想を述べているようでした。2016/01/04
とよぽん
14
内村鑑三という人を、あまりよく知らなかったが、こんな偉大な著書を残していたことに驚いた。しかも、英語で書いた。西洋に、日本の優れた人物の生き方を紹介するために。そして、この本は若松英輔さんが書いたということがポイントだ。巻末に「ブックス特別章」として、若松さんが「書くこと」について述べている。現代の私たちを大いに励ましてくれる文章だ。「100分de名著」とはいえ、中身はずっしり重く深い内容の本だ。2018/02/24
marmelo
8
後世のために私はこれだけの艱難に打ち勝ってみた、後世のために私はこれだけの品性を修練してみた、---内村鑑三『後世への最大遺物』世のため人のためにという意識は、自分の心がけ次第では獲得しうるかもしれない。しかし内村のそれは先人や後世の人にまで及んでいる。確かに『代表的日本人』で紹介された5人の偉人の成した事業は、単に一代で完結するようや個人的な成功の物語ではなく、人々を感化しその恩恵は後世にまで引き継がれるものだった。天とのつながり、天の摂理、それらを基盤とする内村の思想には、彼の信仰の深さを感じる。2016/01/27
Amano Ryota
8
「内村にとって人生は与えられたものではなく、預かっているものです。だから、大切にしなくてはならない。」本書のこの一文で、内村鑑三が何を伝えようとしたのか、その一端が分かった気がしました。与えられた人生というのは、自分が所有者である人生です。自分の持ち物であるのだから、勝手に出来るという理屈が通ります。しかし、預かった人生というのは、自分のものではありません。いつかは返さなければならない。だからこそ、その借り物である人生において、一時的な持ち主に過ぎない私が為すことが意味を持つのだと、伝えているのでしょう。2015/12/25
youmaysay
7
内村鑑三や代表的日本人で取り上げられる5人のような人たちの生き方は、すごいと思う一方で、とても真似できないなとも思う。無私の生き方なんて、我の強い現代人の生き方の対極だろう。2016/01/15