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産巣日(むすび)の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
oDaDa
9
『東洋の理想』では日本、中国、インドを貫くアジア文明の一体性をうたったが、日本がアジア大陸進出にあたって大東亜共栄圏という理念を掲げた際、その思想的根拠として、さかんに利用、喧伝されたものであった。しかし、天心の本来の思想は、そうした政治思想に歪曲されたものではなく、時代や状況を超えて、東洋の歴史全体を貫く根本的な文明原理に基づく文化的な世界観全体を再生しようと主張したものであった。橋川文三の『黄禍物語』でも『東洋の理想』は引用されており、戦前の日本の空気感を知るために一読しておくべきだと感じた。2014/12/26
みそさざえ
4
TVで見逃した回がありテキストを借りてみた。映像で見るもいいがやはり活字で入ってくるのはいい。特にボストン博物館に行って、岡倉天心が世界に日本美術を紹介した役割の大きさを感じた。「茶の本」を読まねば。2016/11/07
tsubomi
4
2016.01.25-01.31:岡倉天心の「茶の本」の内容、生い立ちや交友関係、米国へ渡ってボストン美術館で東洋美術を紹介することになったいきさつについて簡潔にまとめた一冊。日露戦争に勝利し、世界が極東の島国に俄に注目するようになった時代、日本の武力の要因として「武士道」がもてはやされる中、天心は日本人の和を尊び穏やかに暮らす知恵として「茶道」を世界に知らしめたいと願って「茶の本」を著したとか。インドでタゴールと交流したことも、先日読んだ本で紹介されていたバウルの世界観とつながっていて嬉しい発見でした。2016/01/31
youmaysay
2
新渡戸稲造の「武士道」のような外国への日本文化紹介本。いわゆる成功者ではないけれど自分の流儀で生きる岡倉自身の生き方が、すごく羨ましいと思った。2015/03/11
エボシペンギン
1
「茶の本」は茶道の本ではなくて、茶道が内包する日本文化、道教や自然との関わりを解説する本だということはわかった。2022/01/03