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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まーくん
49
著者の「歴史の中の新約聖書」を読んだ流れで。5年程前のNHKテキスト。ユダヤ教の聖書。歴史的経緯があって公式にはヘブライ語で書かれた39の文書からなる。有名な創世記は最初に編纂された「五書」の中のひとつ。ユダヤ教は古代ユダヤ民族の”本格的一神教”。神ヤーヴェは”出エジプト”では彼らを救ったが、その後は民族の危機に際しても救ってくれない役立たない神。それは神の責任ではなく自分たちの責任、即ち”罪”。”信仰”も”敬虔”も、厳しい修行でさえ救いは得られることはない。ひたすら神の動くのを待つしかない。2019/04/05
まさむ♪ね
39
海外文学を読むにあたって聖書は避けて通れない。例えばドストとか・・・ドストとか、ドストとか。調子に乗って岩波文庫の『文語訳 新約聖書』とか積んだけど、わたしには敷居が高すぎてほとんど手付かず。文春新書のやつはなんとか読めてるかな、チビチビだけど。で、こちらは旧約になるのだけど、聖書の全体像―聖書とは何なのか、聖書の成り立ち、歴史的背景等、がザックリわかるようになっていてザックリ良かったです。よし、しばらく止まってるドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』つづき読も。え、そっち?!2014/06/02
そのじつ
13
実はテレビのみ視聴。ユダヤ人の歴史をたどって旧約聖書の成立の過程をひもといてゆく仕立てであった。非常に感銘を受けた。ソロモン王の時代などは、王権神授的な機能を果たす、他の地域の信仰形態と似通ったものがあっただろう。けれど「出エジプト記」で神に作られた国民=信者という意識が、再び救いをもたらす日を待ち望む2000年間を生み出してゆく過程が凄い。特に4回目で語られたヨブ記にはショックを受けた。寓話で神の教えを説くのが目的ではないのだ。ヨブが苦しみを吐露し、神に不満を訴える、その心情に読み手が同調することが重要2014/12/27
たみ
10
100分で名著のテキストを買うのは初めて。番組出演者の会話などがそのまま文章化されているものと思っていました。勘違いしてた!ひゃっほう!番組で語られなかった部分をカバーしつつ、番組を見なくても読めるように作成されていました。わかりやすく旧約聖書の成立の過程が掲載されていて、自分がどこを読みたいと思っているのかを確認できた。神様から救いがなかった→人が罪の状態にあるからだ→正しいことをすれば神様が助けてくれる?→人間の態度で神様は動かせない、のくだりが興味深かった。創世記、コヘレトの言葉、読みたい。2014/05/27
nbhd
10
旧約聖書は豊かすぎて、だいぶ厄介な書物だということが分かった。旧約聖書の物語を楽しむというよりも、ユダヤ人の圧倒的な神がいかに誕生したのか、どのようなしくみで神として存立しているのか、ということを人文科学的に解き明かしていくといった趣向。今月の万葉集が個人的には不発だったので、来月の放送がたのしみ。2014/04/26