1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘビメタおやじ
10
「饗宴」て、こういう書物だったのですね。とても分かりやすいです。それとプラトンの才能にも驚かされました。男女の愛から始まって、真の「美」を求め、「美」そのものに至るのが愛だという考えに納得します。しかし、紀元前何百年の人がこんな考えに至っていたのに、未だに人類はいがみ合い、争い合っているってどういうことでしょう。2020/03/12
グスタフ
7
よくバランスのとれた解説。『饗宴』への良い導きになる。「いい年をして哲学などにうつつを抜かすな」とくってかかるカリクレスも面白い。でも、現実生活に埋没する中で、「愛」をみつめ「理想」を求める力が哲学に残されているなら、見捨てるのはまだ早い。久しぶりに『饗宴』を読もう。読み終えた後「愛」を感じとることができれば、これに勝る幸せはない。2013/07/14
posanian
5
人間もまたダイモーンであるという発想は知を愛する者、学問を究めんとする者の本質を表していると考えられた/善のイデアを求めることはすなわち幸福を求めることなのかもしれない→何故我々は善のイデアを求めるのかという問いに一つの答えを見た気がした2014/06/10
tsubomi
4
2023.05.2-06.10:プラトンの『饗宴』は以前に読んだことがあり、知識の整理として100分de名著版を読んでみました。各エピソードについては既知で、プラトンが言いたいことのメインは最後にあるとわかっていても、一番印象に残っているのはやはり‘愛の起源’の元になった背中合わせにくっついている二人の人間が雷で引き裂かれて互いを探すエピソード。意外によいのは、冒頭でこの宴で登場人物たちがどういう場所に座っているかという見取り図。原著だけのときよりリアルな宴会に自分が参加しているみたいに感じられます。2023/06/10
にこつき
4
「愛」とは何なのか?について語られている饗宴の解説本。愛が通常私たちが連想する”恋愛”ではなく、人間の魂と魂の間にできるかけがえのないもの、”友愛”だという部分がとても印象的でした。友愛と聞くと、仲間同士の絆を思い浮かべます。それも一つの愛なのでしょうか。同性間の恋愛が古代ギリシアの頃から存在していたことにも驚きましたが、愛というのはそれほど深く理解するのが難しいのだと思います。ゲイやレズ、男女間、師弟間の愛など、色んな形で表現される愛の本質について考えてみたい方にはお薦めだと思います。2013/07/22