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産巣日(むすび)の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
としP
32
無為自然。「上善は水の如し」ありのままに生きよ!ということですね。背伸びをしていたって、いつまでも出来るわけではない。自分を大きく見せる必要はない。人間にとって大切なのは命であって、名誉や財産はそれに比べたら取るに足らないものだ。欲に溺れて身を誤るより、分相応にして今の暮らしに満足することが、結果的に天寿を全うすることにつながる。情報社会に生きる私たちは、なるべく多くの知識や技術を身に付けて社会的に成功し、良い暮らしをすることが幸せだと思っている。しかしそれが本当の幸せなのか、老子は私達に疑問を抱かせる。2017/01/28
兵士O
27
権力に強い執着があるからこそ、その反対のことを言って無欲を勧める。成功することに失敗したからこそ、その反対のことを言って競わないことを善とする。華やかで派手なことに憧れがあるからこそ、手堅く質素なことを良しとする。僕はそんな風に思いました。それは僕自身の今までの裏街道の苦い経験や思い出を振り返ってのことです。老子が思想的に古典になり得たのは、ボクのような表層的な不平不満をブーブー言う輩と違い、人間社会のことや森羅万象を徹底的に考え抜いたから。でもその背後には深く暗い執念がある。この怖さが人を魅了するのよ~2024/03/24
こずえ
6
こ、これは…さっくり解説されててわかりやすいのだけど、先生が書いてるように「とらえどころがない」。主な内容は、日本人に染みついてる思想に近いんだけど、何やら捉え方次第で色んな面がありそう…。不思議な難解さだわ…。2013/05/27
たくぼ
5
がんばらない。なんだかこれまでの人生を否定されたかのような、立つ瀬がない感じが残った。ただし、私のうだつが上がらないのは、孔子の教え側だったからかもしれないと思った。ストア派ににていると言ったら言いすぎか。とにかく脳裏に刻んでおくべき教えはただ一つ、水のようであれ。★★★★2020/11/07
ももたろう
4
老子は、どうしようもなく悩んでしまった時の処方箋として語り合いたい偉人だと思う。社会とは人間が作ってきたもの。そこでの価値尺度が絶対の善ではない。「○○すべきだ」など、世間の価値観や形式にとらわれることなく、母なる道(タオ)、つまり自然の摂理があるということを感じ、「あるがまま(無為自然)」で生きることを説いてくれたのが老子だった。「あるがまま」とは決して「わがまま」のことではなく大なる自然の摂理に従うということ。その代表例として水がある。水は常に柔軟で自然の摂理に従い流れゆく。「上善は水のごとし」。2014/02/21
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