NHKブックス<br> 安全保障を問いなおす―「九条‐安保体制」を越えて

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安全保障を問いなおす―「九条‐安保体制」を越えて

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  • サイズ B6判/ページ数 284p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140912393
  • NDC分類 319.8
  • Cコード C1331

出版社内容情報

昨年の安保法制論議では、賛成側と反対側の論理がまったく噛み合わなかった。原因は平和憲法と軍事同盟の並立という矛盾にある。理念と現実を踏まえ、日本の針路を提示する。

内容説明

日本の安全保障をめぐる議論がふたたび盛んになりつつある。だが右派と左派の論争はいつも噛み合わないし、実は中身もない。なぜか?本書は、真の戦略をめぐる議論の実現を阻んできたのは「九条と日米安保の組合せ」だったとみる視点から戦後史をたどり、可能性のあった唯一の例として九〇年代の日本の経験に着目する。そこではリベラルな対外関係と憲法観の変化が生じていた―。安全保障論議の不毛、左右の反目、過度の対米依存を脱するため、九〇年代を参照し、戦争への反省に立った改憲を視野に入れつつ、近隣国との協力について明快で具体的な将来像を示す提言の書。

目次

序章 日本の安全保障―何が問題か
第1章 冷戦期の国際環境と日本外交―「九条‐安保体制」の形成と定着
第2章 国際主義の覚醒―一九九〇年代の日本外交
第3章 冷戦後の日米同盟―漂流からグローバル化へ
第4章 国際主義から自国主義へ
第5章 「九条‐安保体制」を越えて
終章 一国では生きられない

著者等紹介

添谷芳秀[ソエヤヨシヒデ]
1955年生まれ。慶應義塾大学法学部教授。上智大学外国語学部卒。同大学国際学修士、ミシガン大学Ph.D.(国際政治学)。防衛施設中央審議会委員(2000‐09年)、外務省政策評価アドバイザリーグループ・メンバー(2003‐13年)ほか。専門は国際政治学、東アジアの国際関係、日本外交(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ntahima

13
【Kindle-193(Unlimited)】標準タイムは4時間41分。良作だとは思うのだが…。かなりの頁を割いて、戦後の安保体制の歴史が時系列に述べられている。勉強にはなるのだが首脳会談や国際会議での行きつ戻りつする議論を追いながら、私の知識不足からか、その差分をうまく消化できず、頭がこんがらがってしまう。国際貢献に関する考え方や「九条-安保体制」から抜け出すための「第三の道」を「左」から提示というのは賛成だが、その具体案がどうも見えてこない。読んだ内容を暫く頭の中で寝かして熟成してから読み直すつもり。2017/12/04

coolflat

11
憲法9条を改正し再軍備することで、米国との対等化や自立を求めようとするのは、右の理屈であり、同時に9条を護り、日米安保条約や日本の再軍備に反対する立場、すなわち戦争責任に正面から向き合おうとするのは左の論理である。この本来水と油の関係にあるものを抱え込むことになったのが、「9条-安保体制」だ。その結果、日本の外交路線は、右の「改憲・再軍備・日米対等化」、左の「護憲・非武装中立・日米安保反対」、中道の「憲法維持・軽武装・日米安保堅持」の三路線に分岐した。歴代政権はこの体制の下で、概ね中道路線に収斂してきた。2017/01/05

hwconsa1219

5
占領期から現代までの安全保障政策の変遷について丹念に検証し、本来両立し得ないはずの「左」(=9条)と「右」(=日米安保)双方が、戦後日本における重要な枠組みとしてずっと「機能」してきたことを明かしています。また、これゆえに昨今の平和安全法制論議が左右双方で噛み合わない議論となってしまった一因であり、この対立を超えた「第三の道」を考える時期にきていることを提言されています。2016/06/01

アキ

4
主にポスト冷戦〜直近の日本の外交について述べられている。前のミドルパワーではひたすらに9条-安保体制について書かれていたが、今回は純粋に日本外交とその要因について述べられていたためとっかかりやすい。報道されないような詳細の内情も含まれておりなかなか興味深かった。2016/08/27

ホリエッティ

2
とても勉強になる本であったが、現状の対中(非西側諸国)認識についてはもっと厳しいものかもしれない。2024/09/04

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