NHKブックス<br> 江戸日本の転換点―水田の激増は何をもたらしたか

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江戸日本の転換点―水田の激増は何をもたらしたか

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  • サイズ B6判/ページ数 276p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140912300
  • NDC分類 612.1
  • Cコード C1321

内容説明

なぜ水田を中心にした社会は行き詰まったのか。老農の証言から浮かび上がる歴史の深層。米づくりは持続可能だったのか?新田開発は社会を豊かにする一方で農業に深刻な矛盾を生み出した。エコでも循環型でもなかった“江戸時代”をリアルに描き出す力作。

目次

序章 江戸日本の持続可能性
第1章 コメを中心とした社会のしくみ
第2章 ヒトは水田から何を得ていたか
第3章 ヒトと生態系との調和を問う
第4章 資源としての藁・糠・籾
第5章 持続困難だった農業生産
第6章 水田リスク社会の幕開け
終章 水田リスクのその後と本書の総括

著者等紹介

武井弘一[タケイコウイチ]
1971年、熊本県生れ。東京学芸大学大学院修士課程修了。専門は日本近世史。現在、琉球大学法文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Miyoshi Hirotaka

41
植民地化の猛威を回避するために鎖国したが、平和な時代の新田開発が国の形を変えた。17世紀からの百年余りで耕地は1.5倍になり、収量は増え、人口も増加し、さらに米は銀の代替として通貨の役割も担った。ところが、副作用も起きた。肥料不足、生態系の変化による病害虫の発生、洪水の被害の拡大などだ。今では、北海道までに作付けが広がり、各地でブランド米が作られ、米の自給率は96%。一方で、藁、糠、籾などの副産物は使い道の少ない廃棄物と化した。開発は様々なリスクに我々を巻き込む。心ある開発とはそれらを予め防ぐものだ。2016/06/18

壱萬参仟縁

32
本書の問題意識:毎年田んぼを耕してさえいれば百姓は気楽に暮らしていけたのか(17頁)。老農:経験を積んだ農夫。十村(とむら):有力百姓に10カ村から数十カ村の管理を委ねた(18頁)。加賀藩は農書の宝庫(29頁)。鹿野小四郎『農事遺書』1709年著す。土屋又三郎『耕嫁春秋』、『耕作私記』1707年など(30頁~)。耕作放棄地が社会問題化する中、江戸農業の仕組みから学び直すことが必要な時代になったと実感する。大唐米:百姓が食したのは唐法師(ぼうぼし)、唐干(とぼし)というインディカ型赤米(56頁)。2015/08/19

kk

28
江戸時代の稲作農業について、作業や経営の実態、肥料や副産品の取得・利用の推移、生態系へのインパクト、防災上の苦労などを実証的に再現。その上で、元禄期までの新田開発が生態系や地域の社会・経済に及ぼしたインパクトに着目し、江戸期の農業社会は必ずしもサステイナブルな循環型であったとは言えないのではないかという問題意識を提示。大袈裟に言えば、天下泰平の江戸社会がなぜ衰退に向かったのかという大きな問題に一つのヒントを与えてくれているようにも感じられ、たいへん興味深く読みました。2023/02/20

26
多様な生物に育まれた江戸期の水田が18世紀の水田激増により、持続可能性を断たれていく様を肥料、虫、家畜、治水からみた良書。治水の例に地元の田中丘隅がでてきてあれまとなった。それまでは様々な種類の米を育て、時期をずらして収穫していたものが多収量の米のみに変えたことで全国的に冷害の影響を受けやすくなったり、虫害を防ぐための鯨油と肥料のための干鰯と海にまで手を伸ばしたり、水田開発のせいで餌場を失った鹿による食害が増えたり、…いつの時代も変わらないなあ。ただその規模は現代のほうが何千倍も大きいんだよなあ。2021/04/25

bapaksejahtera

18
環境問題について、江戸期の日本を環境循環社会として理想化する言説がある。本書はこれに疑問を呈する。江戸初期の偃武によって新田造成を中心に農業開発が進み人口が増加するが、中期に至るや農地の拡大が農村環境に負荷が掛かり、都市や農村共に消費が高度化して、従来の農産品の生産消費構造とバランスに変化と矛盾が生ずる処を描く。史料として農業拡大期は土屋又三郎「耕稼春秋」停滞期は田中丘隅「民間省要」を用い記述には現実的臨場感がある。史料は限られた地域の物で、よりマクロな視点もほしい処。だが本書は程々と思わせる良書である。2022/07/12

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