NHKブックス
「原子力ムラ」を超えて―ポスト福島のエネルギー政策

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  • サイズ B6判/ページ数 252p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140911815
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C1330

内容説明

福島第一原発事故で明るみに出た、もんじゅ事故以来続く、日本の原子力政策の杜撰さ。その背後に存在する政官学業からなる「原子力ムラ」の虚妄を暴く。エネルギーとしての原子力の無効性を、福島というトポス、3・11以降の政治、研究の最前線から原発と戦ってきた三人が解き明かす。いまだに原発を再開させようとする力が働くなか、自然エネルギーにまつわるウソ・デマ・誤解を解きほぐし、今後あるべきエネルギー政策の本質を明らかにする。原発がダメな本当の理由。

目次

第1章 「原子力ムラ」という虚構
第2章 原発とともに―福島の戦い
第3章 東北大震災から原発事故へ―三月二一日‐四月三〇日
第4章 原発からの脱却と日本の電力エネルギーの未来―五月一日‐六月一四日
第5章 フクシマへの道―分岐点は六ケ所にあった
第6章 上関原発新規立地・最後の攻防戦
第7章 人災としての福島第一原発事故
第8章 エネルギーの未来像

著者等紹介

飯田哲也[イイダテツナリ]
1959年、山口県生まれ。京都大学工学部原子核工学科卒業、同大学院修了。東京大学先端研博士課程単位取得満期退学。大手鉄鋼メーカー、電力関連研究機関で原子力R&Dに従事した後、スウェーデンに留学。現在、環境エネルギー政策研究所所長を務める。21世紀のための再生可能エネルギー政策ネットワークREN21理事、国際バイオマス協会理事、世界風力協会理事なども務める。また、鳩山新政権で中期目標達成タスクフォース委員、および行政刷新会議の事業仕分け人に指名される

佐藤栄佐久[サトウエイサク]
1939年、福島県生まれ。1963年、東京大学法学部卒業。郡山に戻り家業の郡山三東スーツに入社。社団法人郡山青年会議所に入会。郡山青年会議所理事長、日本青年会議所東北地区福島ブロック協議会会長、同東北地区協議会会長、日本青年会議所副会頭を経て、1983年6月、参議院議員初当選。1987年、大蔵政務次官に就任。1988年、福島県知事就任。5期18年間に、北海道東北知事会長はじめ、全国知事会副会長、全国過疎地域自立促進連盟会長などを歴任

河野太郎[コウノタロウ]
1963年生まれ。ジョージタウン大学国際学部比較政治学専攻卒業。富士ゼロックス株式会社などを経て、1996年10月20日、第41回衆議院総選挙にて神奈川第15区で初当選。以後、5回連続当選。2002年総務大臣政務官に就任、2005年法務副大臣に就任、2008年衆議院外務委員長に就任、2009年自民党総裁選挙で次点。現在、湘南国際マラソン実行委員長、法政大学大学院兼任講師、元株式会社湘南ベルマーレ代表取締役会長。メールマガジン、ブログ「ごまめの歯ぎしり」で政策などを発信している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うえ

1
「経産省のなかには,昔から大きく二つのグループがある。一つは東大法学部出身者…もう一つは東大電気工学科や原子力工学科,あるいは京大電気工学科や原子核工学科などを出た技術系キャリアのグループだ。彼らはいわゆる技官ではないが,巨体技術フェチであり,原子力もこよなく愛している。また世間が狭い…同じことは東大原子力工学科についてもいえる。要するに原子力の世界そのものが狭いためほぼ全員が顔見知りなのである…この両グループとも経産省全体として霞が関のなかでプレゼンスを維持する,経産省王国は守るという目標は共有している2014/07/27

リカーズ

1
飯田さんが見てきた原子力行政の流れと問題点を綴っていて、原子力ムラや経産省内の攻防など、政治の裏側という感じで興味深い。ただ「太陽光と風力は絶対無敵」ってテンションがどうも。現状、補助金や税の優遇なしでは成り立たないわけだから、ハードルについても触れるべきでは。河野議員はブロガーじゃなくて政治家なんだから、いかに東電と銀行と株主を潰すかばかり語ってないで、エネルギー行政のことを語って欲しい。佐藤前福島県知事のパートは、「福島原発の真実」に書いてあったことのダイジェスト。2011/08/29

Wataru Hoshii

1
飯田氏の著作に佐藤氏と河野氏が寄稿したという形式。「フクシマ」はなぜ起こったかという分析の上で、その政治・経済的な処理の方策、そして今後のエネルギー政策を具体的に論じた本。明快な論理展開。なぜ、脱原発の方向を模索する著作はこのように次々出てくるのに、強気なはずの「原発容認・推進でもOK」という論者の著作は全然出てこないの?私は日本の一国民として今後のエネルギー政策について学び、自分で政治家に意見を(デモとかSNSではなく実際に)伝え、責任を持って決定に参加していきたいと思っている。2011/08/13

大國神社

1
「原子力ムラ」と闘ってきたお三方による、読み応えある一冊。「政治家も役人も、ともすれば発想の軸を都会に置いてしまう傾向がある。その都合によって、地方がないがしろにされ、場合によっては踏みにじられてしまうこともある。それに対抗し、国に対してしっかり言うべきことを言い続けるのが県の役割だ。それによって県民を守ることが、民主主義の核になるのである。」(佐藤栄佐久氏)「すべての人がエネルギーの生産と消費とその意思決定に何らかのかたちでかかわる時代になる。」(飯田哲也氏)2011/07/30

みる

0
3人の専門家、政治家がそれぞれの立場から原子力ムラの問題点ならびに今後のエネルギー政策について述べている2013/05/22

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