NHKブックス
法然・愚に還る喜び―死を超えて生きる

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  • サイズ B6判/ページ数 306p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140911686
  • NDC分類 188.62
  • Cコード C1315

内容説明

「南無阿弥陀仏」と声に出して称えれば誰でも極楽住生できる…。人々の心をたちどころに掴んだ念仏の教えは、平安末期、末法の世を生きる庶民の「救い」となった。「地獄の思想」が世のなかを次々と覆い尽くし、そして戦乱や天災、飢饉による死が目の前にあった時代、法然が深い思索を重ねた果てに到達した浄土とは何だったか。「死とは何か、生とは何か」を探究する死生学の視点をふまえ、法然浄土教が指し示した「救いの大地」をあらためて捉え直すとき、「昨日に縛られず今日を新たに生き直す」絶対肯定の思想が見えてくる。

目次

仏教思想の改革家・法然
怨霊と地獄と末法の時代
法然の原風景をたどる
「救い」の発見
念仏とは何か
現実を超える力
悪とは何か、善とは何か
専修念仏の衝撃
法然と女性たち
法然の革新性と普遍性
死生額としての法然浄土教

著者等紹介

町田宗鳳[マチダソウホウ]
1950年、京都市生まれ。14歳で出家。20年間、京都・臨済宗大徳寺で修行。34歳のとき寺を離れ、渡米。ハーバード大学神学部で神学修士号、ペンシルベニア大学東洋学部で博士号取得。1990年から、プリンストン大学東洋学部助教授、国立シンガポール大学日本研究学科准教授、東京外国語大学教授を経て、広島大学大学院総合科学研究科教授。環境平和学プロジェクト研究センター所長。オスロ国際平和研究所客員研究員。研究分野は、比較宗教学、比較文明論、生命倫理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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関東のカササギ

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★★☆☆☆ 法然に対する軽い学術書かと思い読みましたが、著者が法然の思想を我田引水して、言いたいこと言ってるだけの印象を受けました。 「思う」「だろう」といった根拠不明な記述が目立ち、記述に重みがありません。また、現代での例えも下手糞で、胡散臭さがありました。2016/10/06

ハルバルミチル

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法然を宗祖とする浄土宗はとても鷹揚な教えだ。形式や因習に拘らず、厳しい修行や伽藍などのハコモノの必要性も認めず、罪人や遊女などあらゆる階層・境遇の人々に救済の手を差し伸べる。「百四十五箇条問答」などから窺える法然の懐の深さには胸を打たれずにはいられない。しかし、どんな悪人でも救済されるとなれば、道徳との関係はどうなるのだろう、とも思う(いわゆる「本願ぼこり」の問題)。やはり、宗教の役割は道徳よりも救済と考えるのが自然なのだろう。文章は平明であり仏教の入門書として大変良かった。2016/05/05

マープル

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とてもよみやすく幅広い視点から書かれた良書(教育テレビの番組のガイドブックをもとに再編集されたものだからかな)。当時の社会情勢や世界の他宗教との比較など、抹香臭いのが苦手なわたしのような人間(笑)にもついていきやすい感じであった。とはいえ、トランスパーソナル心理学が出てきた時にはどん引きしてしまったが(笑)。個人的に興味深かったのは、念仏という行為がもつ身体性が一種の癒しのような働きをするという指摘。心身問題にも深く関わる面白い視点だと思う。そういや内田樹センセも声明について似たようなこと言ってましたな。2011/10/19

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