内容説明
一九九九年大晦日、エリツィンによって後継指名されたプーチンは、経済の国家管理、言論の統制など権威主義的な政策を次々と断行、ロシアは民主化の道を歩んでいると期待していた欧米に衝撃を与えた。一方、市民生活には秩序と安定がもたらされ、高度消費社会が到来。国民は圧倒的な支持率でプーチンに喝采を送りつづけた。プーチンが実質ロシアを主導した十年の間に、この大国は欧米の軌道から外れて独自の道を歩みはじめたといえる。プーチンによって築き上げられた体制とは、どのようなものなのか?政治、経済、外交、すべての視点から現代ロシアの姿を浮き彫りにする。
目次
第1章 ソ連邦崩壊への道と屈辱の九〇年代
第2章 プーチンはどんな人間か
第3章 プーチン体制―狙いと実践
第4章 プーチン政権下の権力と国民意識
第5章 新しいエリート、シロビキの登場
第6章 高度成長時代のロシア社会
第7章 バザール的ロシア経済の浮き沈み
第8章 オリガルヒの栄枯盛衰
第9章 ロシアの対外政策とロシア人の世界認識の変遷
第10章 グルジア侵攻、勢力圏回復を図るロシア
第11章 リセットなるか米ロ関係