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関ヶ原前夜―西軍大名たちの戦い

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  • サイズ B6判/ページ数 317p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140911389
  • NDC分類 210.48
  • Cコード C1321

内容説明

彼らは、なんのために戦ったのか。太閤秀吉という支柱を失った後、関ヶ原に至るまで、豊臣政権内部で何が起こっていたのか。石田三成ら奉行衆の陰に隠れ、その行動が明らかにされてこなかった毛利輝元、上杉景勝、宇喜多秀家、島津義弘ら西軍の外様大名に光をあてることにより、武功派対吏僚派、徳川派対反徳川派などの単純な二項対立論に陥ることなく、軍記に彩られた数々の通説を打破し、ドラマでは描けない関ヶ原前夜の政治情勢・権力闘争の実態に迫る。若手研究者による緻密な意欲作。

目次

第1章 豊臣秀吉の死と石田三成失脚
第2章 関ヶ原への道
第3章 「西国の統括者」毛利輝元
第4章 上杉景勝と直江兼続
第5章 若き「五大老」宇喜多秀家
第6章 島津義弘、起死回生の大勝負
付論―敗者たちのその後

著者等紹介

光成準治[ミツナリジュンジ]
1963年生まれ。2006年、九州大学大学院比較社会文化学府博士課程修了。同年、博士(比較社会文化)学位取得(九州大学)。現在、鈴峯女子短期大学非常勤講師。専攻は日本中・近世移行期史、空間構造史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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印度 洋一郎

5
軍記物(小説)ではなく、当時の武将や家臣の書簡という一次資料を分析し、あまり注目されない西軍諸侯に焦点を当てた関ヶ原の戦い。家康打倒よりも、この機に乗じた領土拡大を目指す毛利や上杉、戦意は旺盛だが領国の中央集権化に失敗して家臣団が内部分裂していた宇喜多、一族内の権力闘争で去就の定まらない島津。西軍内部は、三成とは戦争目的が異なる呉越同舟の同盟だったようだ。同じ寄り合い所帯でも、三成打倒という戦争目的にブレの無い東軍が勝つのも当然かもしれない。2010/08/17

k_samukawa

4
良書。一次資料のみを用い、西軍大名たちの戦略を検討していく。凡愚でなかった毛利輝元、持て余されていた吉川広家、西軍の面々から信頼されていた石田三成、三成を信じて立ち上がった上杉景勝、元から西軍に参加するつもりだった島津義弘、家中統制で苦境にありながらも実直に戦った宇喜多秀家……。本書はこれまでに描かれた全てのフィクションを覆す説得力とリアリティを持っている。2012/09/23

駒場

4
「西軍ギスギス本」と聞いていたのだが、具体的に言うと「西軍(に参加した大名の家中が)ギスギス(している)本」だった。一次史料を多数引用し、分かりやすく解説している。やはり一次史料を用いていると臨場感が味わえて良い。関ヶ原に至るまでの西軍諸大名の抱えていた問題点、葛藤などが述べられていて非常に面白かった。一般書にしてはなかなか硬派で、名著だと思う2010/11/16

奇天

2
一次資料に基づいた研究は歴史の醍醐味でもある。その成果をこうして読みやすい本として上梓してもらえると大変ありがたい。関ヶ原前夜が非常に興味深いものと感じられた。ただし、まだまだ分からないことも多い。今後の研究に期待したい。2010/07/09

ハシヒロ

2
従来の関ヶ原本が徳川体制後の資料を基にしているのに対し、この本は当時の資料を軸に考察している。自己の勢力拡大には積極的な毛利、宇喜多騒動の顛末、戦意があった島津義弘。何れも従来とは違う観点が興味深い。2009/08/16

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