内容説明
人が世界を認識し、思考する際に欠かせないのが、「物質」「空間」「時間」「因果」という生得的概念である。名詞、前置詞、動詞、時制などの検討から、言語に組み込まれた概念を詳しく分析し、人の心は幾何学的な世界把握とは異なり、目的や意図に沿って、対象物や出来事を柔軟に捉えることを明らかにする。また、現実世界を異なるフレームで解釈するためのメタファーは、政治や科学などの複雑な問題を理解し、推論する上で有効であると示す。さらに、ことばと人間心理・社会の間のダイナミックな関係を、人の名前や流行語を切り口に具体的に考察する。
目次
第4章 世界認識の四つの方法―物質・空間・時間・因果(カントの四つのカテゴリー;物質はどう認識されるか―名詞の考察から;空間はどう認識されるか―前置詞の考察から ほか)
第5章 メタファーがいっぱい!―ヒトの思考の仕組みを解く(メタファーのメタファー―思考とはメタファーを理解すること;「興ざめ説」と「救世主説」;すべては概念メタファーから?―レイコフの相対主義 ほか)
第6章 名前をめぐる謎―命名にかかわる人間本性(ことばの意味はどこにあるのか?;新語はどのようにつくられるのか?;人はなぜ名前をつけるのか? ほか)
著者等紹介
ピンカー,スティーブン[ピンカー,スティーブン][Pinker,Steven]
現在、ハーバード大学心理学研究室教授。視覚認知と幼児の言語獲得についての研究により、米国心理学会から「Distinguished Early Career Award」、および、「McCandless Young Developmental Psychologist Award」受賞。2004年にタイム誌の「世界でもっとも影響力のある100人」のひとりに選ばれた。著書に、『心の仕組み』(NHKブックス、「ロサンゼルス・タイムズ」ブック賞ほか受賞)などがある
幾島幸子[イクシマサチコ]
早稲田大学政経学部卒業。翻訳家
桜内篤子[サクラウチアツコ]
ブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ)卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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