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源氏将軍神話の誕生―襲う義経、奪う頼朝

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  • サイズ B6判/ページ数 235p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140911297
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C1321

内容説明

『平家物語』『義経記』『御伽草子』等で語られてきた義経と頼朝の伝承と史実の世界。八幡信仰の読み替えを核に据えることにより、源氏将軍の権威を確立しようとした頼朝。治承・寿永の内乱の中で、私戦を公戦に作り替えるために謀反人に堕とされて、やがて魔王となった義経。二人の交差に、勝者の物語としての源氏将軍神話の誕生と生成を読み取る、気鋭の清新な論考。

目次

第1章 義経滅亡への視座
第2章 「清和源氏」の来た道
第3章 将軍神話の生成
第4章 襲う義経、奪う頼朝
第5章 源氏将軍の滅亡
終章 魔王の出現

著者等紹介

清水眞澄[シミズマスミ]
1957年生。1994年、青山学院大学大学院文学研究科日本文学・日本語専攻博士後期課程単位取得満期退学。青山学院大学、学習院大学、聖徳大学、青山学院女子短期大学で講師を歴任。文学修士。専門は中世文学・音声表現思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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鐵太郎

2
歴史って後世の人々が作るものなのですねぇ。て正義と悪が決められ、そして源氏将軍が三代で滅びたのち再び価値観の転換が起きる訳です。清和源氏の発生まで遡って、源義家のすさまじい残虐さと美化、奥州の怨嗟の声なども語られます。八幡大菩薩を彼とかれの子孫がどのように利用したのかも。義経の愛妾、静(しずか)が、なぜ「御前」という敬称を付けられるほどの立場になったのか、とか面白い話があちこち。内容は文化的な側面を大きくえぐっており、ずっと深遠なものなのですけど、専門的なことには入り込めず、浅読みしかできません。残念。2009/10/22

fuchsia

2
清和源氏といいますが、河内源氏なのだな。平安期の受領階級の中でも武闘派な集団です。2009/06/21

aquirax_k

2
これは「面白かった。特に鎌倉幕府は、大義より暴力が勝る、という事を朝廷が認めた故に生まれた、という指摘には大変興奮した。頼家が持つ残虐さというのは権力者として祭り上げたシステムへの反抗という文脈で理解していたのだが、源氏が代々造り上げてきた権力者としての素養でもあったんだなぁー。2009/04/02

mimm

1
美しい伝承や物語の下に隠された、血生臭い真実。資料を多角的に見て、その隠れたものを剥いでいく。鎌倉幕府の成り立ちって、かなり残酷なんだなぁ、と。第一章の静の話や第二章の源氏の残虐性なんかは割りと面白く(?)読めたけど、それ以降たくさんの資料を並べ解く内容が多く、鎌倉初心者の私にはその面白みがさっぱり分からないというのが多かったです。中~上級者向け、なのかなぁ。中盤以降はなんだか教科書を読んでる感じでちょっと苦手意識を持ってしまったかも。もっと慣れてから読むべきだったかな?2011/06/11

転天堂

0
源平合戦以降、政治史としての概説書は多いが、伝承に焦点を当てて頼朝や義経、源氏将軍のあり方について書かれたのはあまり多くない気がする。タイトルの源氏将軍神話についてはやや取り上げ方が散漫な印象があるが、冷酷な判断で権力を得た頼朝と源氏将軍が因果応報的に絶えたこと、そしてその血脈であることに困惑しつつ権力構造に近づく九条家と藤原将軍の下りは面白かった。粗暴な印象の強い鎌倉武士だが、梶原景時などの音曲へのたしなみは興味深い。それにしても、北条政子の教養や判断力はどのように形成されたのか、さらに気になった。2022/02/26

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