内容説明
命の授業から代理出産、死刑存廃から売春や安楽死の是非まで。現代の様々な倫理的問題について、背景に潜む「自由」「尊厳」「人権」などの哲学的問題にまで踏み込んで議論するうちに、今まで気づかなかった新たな発想が見えてくる。相手の論破を目的とする従来のディベートとは異なり、多様な意見を比較しつつ自説を打ち立てることを目指す、討論形式のユニークな哲学入門。
目次
はじめに “論理”と“倫理”
序章 道徳―あなたはなぜ正直なのか
第1章 文化―食べるとはどのようなことか
第2章 人命―いかに産むべきか
第3章 人権―どのように罰するべきか
第4章 自由―何をしても許されるのか
第5章 尊厳―いかに死すべきか
著者等紹介
高橋昌一郎[タカハシショウイチロウ]
1959年、大分県生まれ。ウエスタンミシガン大学数学科および哲学科卒業後、ミシガン大学大学院哲学研究科修士課程修了。東京大学研究生・テンプル大学専任講師・城西国際大学助教授を経て、國學院大学文学部教授。専攻は、論理学・哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケディーボーイ
34
代理出産、売春、死刑、安楽死など個々のトピックは提示されたら当たり前に考えさせられるものでありその点では興味は持てたが、本全体のオリジナリティはあまり感じなかった。2024/02/29
SOHSA
27
《Kindle本》『理性の限界』『知性の限界』『感性の限界』に続いて読了。著者の本はどれも難解なテーマを読み手に解りやすく丁寧に示してくれる。本作『哲学ディベート』も大学各学部の学生が登場人物となり、倫理的問題を論理的に思考していこうと互いに論じ合う。読み手は双方の意見にその都度成る程と首肯しながら、自らの意見の在りかを探っていく。最終的な正解は示されない。自身の中で読了後も思考は続く。2016/03/03
galoisbaobab
17
「なぜ生きるのか」という問いは「なぜ生きなければいけないのか」だし「なぜ死んではいけないのか」だしシンプルな問いの中からもっとも根源的な哲学の課題が浮かび上がるわけです。この本を読むことで死ぬまでに一度は面と向かって考えておきたい事を避ける事なく体験する事ができます。しかも、ベストな答えを導き出すわけではなく、答えは棚上げしてもベストな問いに還元できたか、を問うことって本当に大事なことだと思います。ツラい課題が多いのですが是非この困難さを受け止めておきたいのです。2017/11/08
Iwata Kentaro
16
とても良い本。色んな人に勧めたい。ここで議論されている命、売春、死刑、安楽死などは観念的な議論はよくされるが、具体的なケースから掘り下げることは少ないし、本書のように多面的に検討することはさらに少ない。すぐに結論を出さずに、難しい議論は難しいのだ、と本質的についていく本書は、議論が一面的、一方向的になりやすい医学生や医者などには特に読んでほしい。しかし著者はよくこうした多重キャラを思いつくな。ドストエフスキーみたい(笑)。2022/06/16
魚京童!
11
よくわからなかった。頭がぼーっとする。2025/01/13