NHKブックス
パトロンたちのルネサンス―フィレンツェ美術の舞台裏

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  • サイズ B6判/ページ数 222p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140910832
  • NDC分類 702.37
  • Cコード C1370

内容説明

わたしたちはウフィツィやルーブルで名画を前に歓喜に包まれ、至上の美を創作した芸術家の心情に思いを寄せ、ロマンチックな想像の翼を広げる。しかし、それはあまりに近代的な鑑賞法に馴れ親しんだ結果ではないのか?たしかに、近代の作品は芸術家の詩情の発露として創作されるが、ルネサンス時代の芸術はパトロンが発注するものだった。最初に設置された場所、描かれた人々、報酬等をつぶさに見ることで、作品をパトロンの見識と審美眼、経済力の象徴として捉え直し、さらに当時の画家・彫刻家の社会的位置などを考慮することで、おなじみの作品が全く違って見えてくる。裏面からみる、新しい美術史の試み。

目次

序章 奇跡の都市、フィレンツェという舞台
第1章 大聖堂の影のもと
第2章 威信を競い合った同職組合
第3章 金持ち商人たちの礼拝堂
第4章 「祖国の父」コジモ・デ・メディチ
第5章 メディチ家の「黄金時代」
第6章 「黄金時代」のパトロン群像
第7章 炎の共和国
終章 フィレンツェ共和国の最期

著者等紹介

松本典昭[マツモトノリアキ]
1955年、鳥取県に生まれる。1983年、ダンテ協会留学生としてペルージア外国人大学に学ぶ。1988‐91年、イタリア政府給費留学生としてフィレンツェ大学に学ぶ。1992年、同志社大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。阪南大学国際コミュニケーション学部教授。博士(文化史学:同志社大学)。専攻は西洋史、イタリア史。著書に『NHKフィレンツェ・ルネサンス』(日本放送出版協会、第15回マルコ・ポーロ賞共同受賞)など。共訳書に『マキァヴェッリ全集6』(筑摩書房、第10回ピーコ・デッラ・ミランドラ賞共同受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

中島直人

3
(図書館)芸術家からではなく、パトロンから作品を観てみる。面白いとは感じたけれど、切り込みが浅く、強い印象は受けず。2023/09/03

午後

2
14〜16世紀のフィレンツェにおける、パトロンと美術家たちの関わり。絵画作品の値段の安さ、大理石やブロンズの高さ、素材の値段が作品の評価に直接繋がったことなどの、芸術という概念が定着した現在では見落としがちな視点が面白い。2020/08/26

pako

1
ルネサンスのパトロン達の仕事ぶりは分かるが、その美術や建物が名前だけでは出てこない為読んでて完璧に読みこむ事が出来なかった。図が欲しい。インターネットで調べながら読めばいいんかな2012/08/03

PYRRHUS

0
ルネサンスの時代には画題も構図もほとんどパトロン主導だった。「美術館のキャプションにパトロンの名前ものせてほしい」と思えるようになる。青銅像は鋳造失敗のリスクがあるから高価だった、フィレンツェの税制(カタスト)では家は課税対象にならなかったなど興味深い知識も多数。2016/01/18

cocomero

0
ルネサンス期イタリアの芸術活動を支援したフィレンツェ市やメディチ家を始めとする、公的や私的パトロンについて述べられる。パトロンは、発注主として作品の特徴を決定づけるほどの指示を出す、実質、発案者であった。そのため、そうしたパトロンの役割りを踏まえて、歴史や作品をみる必要があるとされる。2019/09/28

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